※諸注意

 この小説は、かなりいろんな意味でギリギリの線を越えちゃったり越えなかったりしてますが、まぁ、そんなに気にしないでください。

 

 

 

 

 

妄想の小部屋[今流行の能力者モノ]

〜何故か私の周りではヒジョーにこのネタが使われているから私だけ書かないと言うのも仲間外れで寂しい感じがするから書き始めたけどヤッパリやめとくべきだったと後半になって気づいた小説DX決定版〜

 

 

 

 

 

 

――始まりは、なんだったのだろう――

 

――無限とも思えるこの時間の中――

 

――私は、一体何を望んでいたのだろう――

 

――果てが無いこの世界で――

 

――私は、一体何を待っているのだろう――

 

――始まりは、なんだったのだろう……――

 

 

 

 

 夢、

 

 夢を見ていた。

 

 何かを失い、

 

 そして、

 

 失ったもの以上のものを得る夢。

 

 失ったものが大きければ大きいほど、

 

 得られるものも大きかった。

 

 その得た力の所為で、

 

 私たちは巻き込まれてしまった。

 

『バーリ・トゥド(なんでもあり)』の試合に!!

 

 

″この世でもっとも恐れられているものは、恋をした女の子なのです。″

 

「いったい、誰がそんな言葉を考えたんだか」

 祐一は、誰にでもなく呟いて、また眠りへと落ちていった。

 そして、物語は終末へ向けて加速するのだ。本人たちの意思とは関係なく。

 

 

 賽の河原には、こんな立て札があった。

『この先、能力無き者通る事適わず』

 こんな立て札を見るのは、この中にいる皆がはじめてだった。

 KanonにイベントCGがある女性陣全員が一同に揃ったのは、かなりめずらしいことなのだが、それについてコメントするものはいなかった。服装も、皆が皆、固定された服装だった。ま、制服だったりダッフルコートだったりするわけだ。

「この立て札の意味、栞ちゃん分かる?」

 はじめに口を開いたのは、あゆだった。

「さぁ? お姉ちゃんなら、わかりますよね」

「まぁ、分からないことはないけど……」

「そもそも能力、ってなんだろうね?」

 名雪は、自分の隣にいる母――秋子さんに声をかけようとして、ふと気づいた。

「お母さん? お母さんどこぉ?」

 自分の隣にいたはずの母親がいなくなるということは、誰にとっても急に不安になるというものである。名雪も例外ではなく、大声で、母親を呼んだ。

「そういえば、さっきから真琴の姿も見えませんね」

 じっと立て札を見ていた美汐も、いつもなら肉まん肉まんと言って騒ぐ友達がいないことに気づき、不安げな瞳になる。

「……前」

「あ、ホントだ。あんなところでなにしてるんですかねー?」

 舞と佐祐理が、立て札よりも前を歩いている秋子さんと真琴を見つけて声を上げた。

「おかーさーん!」

 間延びした声を上げながら、名雪は母親に向かって走り出した。

「真琴!」

 いつも冷静な彼女からは想像できないほどの速さで、美汐は走り出した。

 そして、二人揃って。

――ゴンッ!!

 見えない何かに行く手を遮られた。

「痛いよ〜」

「……かなり、痛いです」

 二人とも鼻頭を押さえながら、うなった。

「なにか、壁みたいなものがありますね」

 佐祐理は、二人が激突したあたりを調べ始めた。

「しかも、かなり硬いみたいね」

 香里も、それに続く。

「………どいて」

 舞が、そんな二人を押しのけるようにして、見えない壁の前に一人で立った。

「何を、するつもりなんでしょう?」

 栞が姉に問いかけるが、

「きっと、舞は斬るつもりなんです」

 答えたのは佐祐理だった。

「斬るって?」

 あゆが、佐祐理に問いかける。

「それは、見ていれば分かりますよ」

 佐祐理が言い終わるか言い終わらないかのうちに、舞はどこからかいつもの剣を取り出して、構えていた。

「せいっ!」

――キンッ!

 甲高い音が辺りに響いた。

 しかし、それだけだった。それ以外に、何の反応も見受けられなかった。壁は相変わらずそびえてるようだ。こうしている間にも、二人は皆からどんどん遠ざかってしまう。

「……くっ!」

 舞は、しかし諦めなかった。何度も、何度も壁に剣を斬り付ける。そして、

――キィィィンッ!!

 一際高い音がしたかと思うと、舞の剣が、折れた。

「………そんな」

 舞は、折れた剣を持ったままその場で膝を付いた。

「舞……」

 佐祐理が、そんな舞の肩にそっと触れようとした時に、それは起こった。

『お前は、能力を求めるのか?』

「!?」

「?!」

 その場にいた皆が、その声に聞き覚えがあった。

「北川君!」×2

「お姉ちゃんに付きまとってる変な人!」

「……祐一の悪友」

「前回、犯人だった人ですね」

「あははー、脇役の名前なんか忘れてしまいましたよー」

「ボクの人形を掘り起こしたヒトだ!」

 そう、声の主は、北川潤。前回の話で犯人として悲劇的な最後を向かえた男だった。

『なんだい! みんなして俺をいぢめるのかよッ!』

 登場(?)していきなり北川(声)はへこんだ。

「まぁ、いいわ。細かいことは気にしないから、要件だけ伝えて頂戴」

 にべもない香里の物言いに、北川(声)はさらにへこんだのだが、誰もそれを察することはなかった。

『用件っていってもな……一つしかないし』

「それでいいのよ! グダグダ言ってないで教えなさい!!」

 香里は、いつになく激しい口調で北川を責め立てた。

『ご、ゴメンなさい!!』

 北川(声)も、いつになく激しい謝り方だった。

『そ、それで用件というのはですね』

 もうすでにへっぴり腰の北川(声)だった。

『舞さん、って方だけなんですけど……』

「なによ、それ!!」

 香里が苛立たしげに言葉を吐く。

『す、すみません!!』

「……ハァ。それで、その川澄先輩に用って、何なの? 早めに済ませなさいよ」

『も、モチロンです! 同じような事を全員分済ませなきゃならないんで』

 そう云うと、北川(声)はコホン、と咳払いをすると、厳かな口調で喋りだした。

『汝、力の権利を得た。その力、汝が望むなら与えよう』

「? 力……」

 舞が首をかしげる。

「…一体、どんな……?」

『その方の力は、全てを断ち斬る力。断絶の、力』

「?」

 いまいち、言葉の意味を咀嚼できていない、舞だった。

『その力を得たいなら……汝、腕を差し出せ』

「…腕?」

 舞は、いまだに折れた剣の柄をしっかりと握り締めている自分自身の左腕を見た。

『汝、力を得たいか?』

「…………」

 しばらく腕を見ながら悩んでいた舞だったが、

「…その力で……祐一を助けることは、出来るの?」

 はっきりとした口調で、質問した。

『可能だ』

 即答した北川(声)の声を聞き、舞の顔に、決意の色が浮かび上がった。

「……力を、下さい」

『汝、力を望んだな? Il Re Spade――剣の王(断絶)の力を……』

 声と共に、舞の体が光に包まれた。

「!! ……コレは…」

 舞は、自分の体を包む光に困惑したが、

「あったかい…」

 すぐに順応した。

『力を得た者のみ、先に進むがよい』

 舞は頷くと、壁のある場所へと歩き出した。

「あ、舞! あぶな」

 いよ、と言いかけて、佐祐理はその言葉を飲み込んだ。

「川澄先輩…」

 名雪たちも、ただ見ていることしか出来なかった。

「行っちゃったよ…」

 あゆが、ポツリともらした。

 そう、舞は見えない壁を抜けたのだった。

『さぁ、力を求めよ! さすれば全ての道は開かれん!』

 北川は、大仰に身振り手振りを付けて喋っているのだが、誰一人として、その姿を見ることはなかった。

『次なる者は……エ? 予想以上に長引いてるから端折って説明しろ? そりゃないでしょう! 俺にはこれだけしか出番ないんだから。つべこべ文句を言うな、ってそんなぁ! 分かりました。分かりましたよ。じゃあ、いきなり本題に入っていいんですね?』

 

 

 というわけで、舞SIDE.

 

 取り合えず見えない壁を越える事が出来た舞は、その場で佐祐理を待つことにしたのだが、

「………?」

 気づいたら、自分が立っていた場所は草原へと変わっていた。

 先程まで、賽の河原にいたはずなのだが、などと思いつつも、舞はその場を詮索しだす。元来、マイペース人間なのだ。

 詮索するうちに、舞はこの草原を知っていることに気づいた。

「…この場所は……?」

 この草原とまったく一緒の場所が、舞達の住む町にはあるのだ。そして、その草原には化け狐が出るという。

 そう、ここはものみの丘そのものなのだった。

「……なんで?」

 舞が首を傾げていると、

「わはははははは……!!」

 どこからともなく高笑いが聞こえてきた。

「なんで? どーして? って顔してるわね」

「!!」

 舞は、声のしたほうを見るが、姿は見えない。

 それなら、と舞は全神経を張り巡らせ、目に付く限りの周囲から気配を探った。

「それは! この世界が真琴が造った世界だからよ!!」

「?!」

 突如として、真琴は舞の隣に現れた。

「…どうして……?!」

「どーしてって、顔してるわね!」

「…いちいち……ウルサイ」

 舞は、間合いを取りつつ、真琴の気配を探った。

 何故か、眼の前の真琴からはまったく気配を感じないのだ。となれば、この真琴は幻覚で、本体がどこかにあるはずなのだ。舞は、それを探った。

「それは、この世界が真琴が造った世界だからよ!」

「…前にも聞いた……」

 舞はとりあえずツッコミを入れておいてから、眼の前の真琴を凝視した。本体を見つける手がかりがないかどうかを調べるために。

「…あ、あんまりジロジロ見ないでよぅ……」

 真琴は、恥ずかしそうにもじもじと指を合わせた。しかし、舞は観察を止めるつもりはない。

「見ないでって、いってるでしょう!!」

 真琴は、舞に右ストレートを叩き込んだ。

 この右ストレートが、ただの右ストレートなら舞も驚かなかったのだが、その右ストレートに便乗するかのように、真琴の右腕が炎に包まれていたのなら話は別だった。

「!!」

 舞は、その右ストレートを間一髪で回避するが、炎までは避け切れなかった。制服のリボンが少し焦げていた。

「…それは……?」

「されは何だ? って顔してるわね!」

 真琴は得意げに鼻を鳴らした。

「…いちいちうるさい……」

 舞は、左手を天にかざした。

 キィィィイイン――――。

 舞が手をかざした部分だけ、空間が裂けた。

「!! な、なによそれは?」

 今度は真琴が驚く番だった。

「…コレが、私の…力……」

 舞は、裂けた空間の中から、一本の剣を取り出した。

「断絶の、力……!」

 舞はIl Re Spade――剣の王(断絶)を発動させると、真琴との間合いを一気に詰めた。たとえ、目の前の真琴が偽者だとしても、行動しないことには何も進展はないと、舞は考えたのだ。

 間合いを詰めると同時に、剣で真琴を突く。

「?」

 しかし、手ごたえは無い。

「甘いわよ! 甘すぎよ! 秋子さんのジャムより甘いのよ!!」

「甘くないジャムもありますよ」

 真琴の叫びの直後に、どこからともなく悪魔のささやき声が聞こえてきた。

「………(汗)」

「………(泣)」

 舞の額を汗がつたい、真琴は半泣きになって舞の目の前に姿を現した。

「!」

 今度の真琴は、気配がちゃんとあった。

「…どうしよう……ジャムがくるよぅ」

 真琴は半泣きで、舞に近づいていった。よほど、先程の言葉が怖かったのだろう。

 無理も無い、と舞は思った。常日頃から彼女の近くにいる真琴は、すでに彼女の奴隷と同じ。当然、毎回行われる実験に真琴は利用されているに違いない。

 憐れだとは思う。しかし、舞にも譲れない思いはあるのだ。他人には決して譲れない思いが。

「…ゴメン」

 舞は、真琴を剣で斬り付けた。

 しかし、

「?!」

 またしても手ごたえは無かった。

「危なかったぁ」

 困惑している舞の背後で、真琴の声がした。

「もう少しで、やられるところだったじゃないの!」

 真琴は、舞を怒鳴りつけるが、そんなことを言われても困る、と舞は眉をしかめた。

「今度こそ、本気なんだからぁ」

 今までは本気じゃなかったのか? と舞は驚いたが、それどころではなかった。

「えぇぇええいっ!!」

 真琴は、拳を力一杯地面に打ちつけた。

 たったそれだけで、

「??!!」

 世界が崩壊した。

 まるで、高いところからガラスを落としたかのように、世界が散り散りになったのだ。

「これが、真琴の力! 創造と破壊の力よ!!」

 どこからか、真琴の声が響いては来るが、舞はそれどころではなかった。

 ばらばらになりそうな身体を繋ぎとめるので必死だった。Il Mondo――世界(創造と破壊)を発動させた真琴の、高笑いだけが舞の耳に届いた。

 そして、舞の意識は途切れた……

 

 

 その頃の、あゆ・名雪・栞・香里SIDE.

「先輩、消えちゃったね…」

 名雪は、舞が消えた地点に立っていた。あの、見えない壁を越えたということは、この4人は力を手に入れたということになる。

 それらが果たしてどのような力かはさて置き。

「あの優しそうな女の人も消えちゃったね…」

 あゆが言うとおり、佐祐理は、力を手に入れたと同時にどこかへ″飛んで″しまったのだ。

「美汐さんも…行っちゃいましたね」

 唯一同い年だった美汐が居なくなって、栞は少し寂しそうだった。

「わたしたち、4人だけになっちゃったね」

 名雪たちは、どうしようか? と顔を見合わせた。

「取りあえず、協力しましょう」

 香里が、一番妥当であろう答えを出した。さすがは学年首席!

『そうはいかない!!』

 しかし、それをヨシとしない者も、いたのだ。

「なんなのよ、北川君!」

 香里が、かなりキツめの口調で反応した。

『ヒッ! で、でもこの台本には…』

 意味不明なことを口走りながら、北川は必死で弁明した。

『と、取り敢えず…このまま何も無いまま物語が進行してもらっても困るので……』

 オドオドと、北川は言葉を進めていく。

『えっと、まず水瀬は……。つい先日、あゆさん秘蔵の、百花屋で限定20食だった″特性花の香りがするかもしれないタイ焼き″をつまみ食いして、おいしかったもんだからついつい4つ全てを食べたみたいだな』

「……名雪さん」

 北川の言葉が終わるか終わらないかの内に、あゆの鋭い視線が、名雪に容赦なく突き刺さる。

『それから、あゆさん』

「エッ! ボク?」

『そう、ボクです。あなたは、自分の胸が小さいのを棚に上げて、″栞ちゃんの胸なんかボク以上に大平原だから安心だネ♪″とかなんとか常に相沢に言ってたみたいだね…』

「そんな、あゆさん……」

「ふ〜ん…」

 二人の、悲しみの視線と、静かな怒りの視線があゆに突き刺さる。

「う、うぐぅ…」

 早くも、この4人の結束は壊れた。

「な、名雪さん! ボクのタイ焼き返してよ!!」

 あゆの10本の指が光りだした。

「も、もう無理だよー!」

 弁解しながらも、名雪も力を解放しだした。その証拠に、両足が光りだす。

「私の妹が受けた屈辱、受けてもらうわよ!!」

 香里の両手が蒼い炎を纏った。

「そんなこと言うあゆさんなんて、キライです!」

 栞の両腕が光り輝きだす。

 闘いのカードを切ったのは、

 

 以外にも名雪だった。

「もう、時効だよ〜」

 その″Il Sole――太陽の力(神の如き速き足)″を使い、全力で逃亡を試みたのだ。

 大地をも揺るがせて、名雪は全力疾走しだした。

「逃がさないよ!」

 あゆの″L'Apesso――吊し人(何ものも捕える網)″が10本の指から発動し、ソレを追う。

「させない!」

 香里が″La Forza――力(全てを燃やす炎)″を両の拳に纏って、あゆの前に立ち塞がる。

「そこを、どいてッ!!」

 しかしあゆは怯まない。香里に向かって、力を発動する。

「クッ!」

 あゆの網に、香里の動きが鈍った。

「お姉ちゃん!」

 栞が″L'Eremita――隠者(何者にも捉われない腕)″で、香里を助けようと試みている隙に、あゆは、

「待てぇ〜! 食い逃げ犯!!」

 名雪を追いながら、あゆは、あゆが言ってもまったく説得力が無い言葉を口走った。

「待つのは、元祖食い逃げ犯! あなたよ!!」

 香里の″全てを燃やす炎″が、あゆを襲う。

「そんなもの!!」

 あゆの″何者も捕える網″が、炎を遮った。かとおもうと、

「学年首席を甘く見ないでッ!」

 香里は、拳を大きく振るった。炎がその軌跡に残り、壁を作り、あゆの力を相殺した。

「!!」

 あゆが驚きの表情になる。そこを狙い、栞が″何者にも捉われない腕″を、あゆに向けて発動した。

「!? あ、アレッ?」

 栞の腕が、あゆの身体をがっしりと抱え込んだ。しかし、当の栞は、はじめの立ち位置から動いていない。

「お姉ちゃん、今です!」

 栞の腕が、肩から先が靄がかかった様に見えなくなっていた。

「そ、そんな!」

 あゆが驚いている間に香里は、一気にあゆとの間合いを詰めていた。

「前回、彼方はでしゃばり過ぎたのよ」

 香里は言い放つと同時に、炎を纏った拳をあゆに振り下ろした。

 

 

 美汐・佐祐理SIDE.

 一人先に走り出した(実際は飛んでるけど、本人は走ってるつもり)佐祐理は、しばらく走り続けて、立ち止まった。

「…………」

 佐祐理はしばらくじっ、としていたが、

「そろそろ、出てきてください」

 ゆっくりとした、落ち着いた口調だったが、何者にも逆らうことを許さない威圧に満ちた声だった。

「……やはり、分かっていましたか。流石ですね」

 どこからともなく、影が現れたかと思うと、それが人の形になり、

「でも、ココまでです」

 その影が突如として佐祐理を襲った。

「…………」

 しかし、

「それくらいじゃあ、佐祐理には敵いませんよ」

 佐祐理はそれを、どこからか取り出した『魔女っ子必須のアイテム』である魔法のステッキで蠅でも叩き落すかのような動作で払った。

「!!」

 影が、その形を崩して掻き消えてしまった。

 コレに驚いたのは、佐祐理である。

「……これは?」

「驚きましたか。これが、私の力。全てを惑わすもの、″La Luna――月(幻眼)″です」

 佐祐理の影から伸びるように出てきたもう一つの影。その影の持ち主は天野美汐だった。

「その眼……」

 佐祐理は美汐の左目を見て、戦慄を覚えた。

「これですか?」

 美汐は、自分の左目を指差した。その、真紅に光り輝く瞳を。

「奇遇ですね」

 驚いていた佐祐理だったが、ステッキを構えながら、不適に笑った。

「…佐祐理は、右目なんですよ」

 直後、佐祐理の右目が光りだした。深い深い、青色に。

「これが、佐祐理の力。全てを見極めるもの、″Le Stelle――星(極眼)″です」

 言うやいなや、佐祐理は美汐に襲い掛かった。

「!? たとえ先輩でも、祐一さんだけは譲れません!」

 美汐は、幻眼の力を佐祐理にぶつけた。

 幻眼の力は人間の視覚にのみ作用するのだが、人間のように視覚が発達してしまった生き物は、視覚に頼っているため、その効果は絶大といえる。ただし、それはあくまでも一般人にとって、ということなので、能力者にはその効果はあまり期待できない。しかも、佐祐理の能力は見極めること、二つの能力の愛称は、最悪といえた。

 それでも、美汐は諦めてはいなかった。

「祐一さんだけは……祐一さんだけは!!」

 美汐の気迫に押され気味だった佐祐理だったが、

「想いだけでは、どうにもならないことがあるって…」

「分かってます!! それくらい、分かってるんです!!」

 佐祐理の言葉を遮って、美汐は叫んだ。

「それでも、この想いを届けるんです!」

 私の、この想いを………!!

 美汐の左目の光が、全てを照らし出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 もう、限界です……(作者の心の叫び)

 

 

 

 取り合えず、続いとけ!

 

 

 

 このまま、どうやって続けようか? などと本気で悩んでいる今日この頃です。

 取り合えず、この小説を書くに当たって私は「Kanon」をもう一度インストールしてやってみました。いやー、真琴がイイ!! それ以上でも、それ以下でもないのですよーってな感じでしたから、何の参考にもなりませんでした。まったく、何のために三度プレイしたんだか……

 まぁ、真琴にまたしても萌えることができたので、損はしてませんが。でもやっぱり美汐の出番は少なかった……

 だから、っていうワケでもないんですが、この小説では美汐が大活躍(?)です。

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