※諸注意
この小説は、かなりいろんな意味でギリギリの線を越えちゃったり越えなかったりしてますが、まぁ、そんなに気にしないでください。
妄想の小部屋[今流行の能力者モノ]
〜何故か私の周りではヒジョーにこのネタが使われているから私だけ書かないと言うのも仲間外れで寂しい感じがするから書き始めたけど何気に自分でも気に入り始めている的小説DX決定版〜
はじまりも、
終わりも無い。
エイエンに続く争い。
そんな、
そんな汚れきった世界。
白いけれど、
何も無いけれど、
ソレは確かにあって、
ソレが世界を汚している。
ソレが争いを引き起こしている。
ソレは、
侵食していくもの。
人間のココロを、
蝕み、
喰らうもの。
「オレの名前は折原こーへーだ。よろしくな」
名雪は、そう言って手を差し出してきた男を見た。
悪い人じゃ、なさそう……。しかし、すぐには断言できない。でも、この人は祐一と同じ雰囲気だ。だから、きっと悪い人じゃない。少し……かなり意地悪かも知れないけど、悪い人じゃないよ、きっと。
「水瀬……名雪です」
はじめまして、と名雪が頭を下げると、
「そうじゃないだろ」
折原は、名雪に右手を差し出してきた。その格好のまま笑顔でいる折原に、名雪は少々戸惑ったが、その意図を察すると、
「よろしく、お願いします」
おずおずと自分も右腕を差し出した。折原はその右手を握り返し、二人は軽い握手を交わした。
「それで、名雪はなんでこんなところにいるんだ?」
「え?」
名雪が驚いた顔になる。
「アレ、名前間違えたか? 名雪で、いいんだろう」
「うん……」
初対面の男にいきなり呼び捨てにされた事に驚いた名雪だったが、折原はそんなことを気にしてはいないようだった。
「名雪は、ココがどこか知っているのか?」
折原はいきなり本題に入った。
「……」
名雪は少し考えた後、
「分からない」
とだけ答えた。
「そうか。ココは、そうだな……エイエンの世界とはまた違った世界。どこかにあるけれど、どこからも見えない世界」
分かる? と折原は名雪の方を見る。
「え、でも北川君がいたし……天国とかじゃないの?」
「それとは、また別の世界」
「……よく分からないよ」
「まぁ、この世界のことなんて分からなくて当然だ。ココは、反物質で構成された世界だから」
「反……物質?」
名雪が聞きなれない単語に首を傾げると、折原はそうだ、と頷いた。
「物質とは、おおよそ反対の属性を持つ物。物質がある場所では決して存在できない物――それが反物質」
折原はとつとつと語りだした。
「反物質に物質が触れると、それらは膨大なエネルギーを生じさせながら消滅する。その膨大なエネルギーとは現存するどのエネルギーよりも大きなものだ。核融合なんて比較にならない。その上、なんの反作用もない。まさしく理想のエネルギーといえるが、しかしそれらは決して同じセカイに存在できない。しかし、そうでもない。反物質と物質――例えばココに物質の石があるとしよう。すると、ココには反物質の石は存在できない。でも、反物質の水は存在できる。しかし、反物質の水と、物質の石は反応しない。つまりは、膨大なエネルギーを発生させるためにはまったく同じものの物質と反物質が必要になってくる。でも、まったく同じものの物質と反物質は存在できない。だから、俺らのような物質の人間が反物質のセカイにいても、なんの問題もないんだ」
ここまでは分かるな? と折原が訊くと、名雪は頷いた。
「で、ここは反物質のセカイなんだが。ここで黒い影に襲われたか?」
「うん! いきなり襲われたよ」
「そっか。で、あれらは反物質の人間だ。しかし、おかしいとは思わないか? 何故物質の俺たちが反物質を眼にして、反物質に触ることが出来るのか? まぁ、答えは簡単で、誰かが意図的にそれらが出来るようにしたんだ。そしてそれは誰か? そんなセカイの法則を曲げるようなことが出来るのは"Il Bagattel――魔術師(根源を操る者)"・"L’Imperatrice――女帝(絶対権力)"・"L’Imperator――皇帝(万物の王)"の力を持つ三人だけ」
「じゃあ、その三人が犯人?」
「でもない。実際、この三人だけの力ではこのセカイは不安定なものにしかならない。だから、必要とされてるんだ。贄と、二人の司祭が……」
「二人の、司祭……」
名雪の表情が強張る。
「すでに、贄であるIl Mondo――世界(創造と破壊)の力を持つ者は捕らえられた。残りは、二人の司祭。そしてそのうちの一人は、"La Papessa――女司祭(故に最強)"を持つ名雪だ」
「……。ええっ?!」
いきなり自分の名前が出てきたことに、名雪は驚きまくっていたが、折原は話を続ける。
「そしてもう一人の持つ力"Il Pope――司祭(意味を司る者)"は……このセカイには干渉できないところにいる。だから、コレは無視して、今は名雪が仲間のところに合流することが一番の優先事項だ」
はぁ、ともう話についていっていない名雪。
「その前に、名雪にはそれらの力の持つ、意味を教えてやらなきゃならない。まぁ、そのために俺は呼ばれてるんだからな」
「呼ばれた?」
「そう、祐一にな」
「祐一っ!?」
知った名前が、というか自分たちがいま探している者の名前が出てきたことに、名雪は驚きを隠せなかった。
「そう、祐一。相沢祐一。俺、折原こーへーとは正反対の性質と存在意義を与えられし者。奇蹟の使い手――そして、自分の命を力に変換している者」
命を、力に変換。
「……って、ことは? もしかして」
「ご名答。名雪や、その他の力を持つ者の〔力〕。それらは全部、祐一が自分の命を削って与えたものだ」
「そんな! それじゃ、この力を使い続けたら!」
「そうだ。祐一は、もう長くはないだろう」
「そんな……そんなぁ!!」
「代償の無い力なんて、無いんだ」
「その代償が、祐一の命なら、わたしはこんな力いらない!!」
「望まずとも、その力を持たねばこのセカイでは生きてはいけない」
泣きそうになっている名雪に、折原は冷静に言い放った。
「さて、お話はここまでだ」
「え?」
「まずは、一人目との会合だな、名雪。アイツは、名雪の友達なんだろ」
折原が指差す方向には、名雪の思いもしない人物が立っていた。
「あ、ああああああぁ!!」
時は、名雪と折原が出会う、少し前まで遡る。
そこは、どこまでも白い世界。
二人の男が、背中を向け合って話をしていた。
「行くのか……」
「お前が動けない以上、俺が行くしかないだろ」
「……頼む」
「頼む、なんて、俺とお前の間柄だろ。そんなに神妙になることなんて無いって」
「ありがとな」
「おうともさ!」
んじゃな、と一人は立ち去り、もう一人はその場で俯いていた。
「俺の命も、もうそんなに残ってない……」
絞り出すような声で、男は言った。
「ここは……痛ッ」
闇の中で、真琴は目覚めた。
「動けない」
まず、事実を確認する。
真琴は、両手両足を縛られていて、その上闇の中に放置されている。これでは、身動きが取れない。
「あうーっ……」
とりあえず、言ってはみるが、何の反応も返ってこない。
完全に孤立してしまったみたいだ。
この闇の中に一人しかいない。そう、意識しただけで、真琴は寂しさに襲われた。
「あ、あうーっ……」
再び、しかし何の反応も返ってこない。
泣きそうになりながらも真琴は上半身を起こし、手のひらに局地的にIl Mondo――世界(創造と破壊)を発動させ、ナイフを作り出した。
「とにかく、逃げないと……」
真琴はナイフで自分を縛り付けていたロープを切ると、立ち上がった。
「ぜったいに、ゆるさないんだから!!」
拳を高々と振り上げると、真琴は漆黒の闇を睨みつけた。
何ゆえ今回は少々マジメ路線?
それは、誰にも分からない。
ってか別に分からんでもいいしね。
というわけで、この小部屋は、まだまだ増えますとも。
チリも積もれば、ってヤツです。
とりあえず、いらん雑学やら耳学問で出来てる話なんで、あんまつっこまんといてください。
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