目に見えない重圧。

 

全身を、内から、外から、苛む衝動。

 

じっとりと全身を嘗めまわすような湿気に似た思わず叫びたくなるような不快感。

 

嫌だ。

 

耐えられない。

 

思いっきり叫んで、弱み、辛さ、悲しみ、悔しさ――

 

全ての溜めてしまっていた闇を放してしまいたい衝動が溢れる。

 

辛い、もういい、やってしまえ。

 

あとでどうなってもいい、この辛ささえなくなれば――

 

「―――――」

 

けれど。

 

できない。

 

口が、開かない。

 

そもそも、放す相手がいない。

 

どこをどう見ても真っ暗闇で、目を開けているのか、閉じているのか、本当に目があるのか。

 

まるで、分からない。

 

ただ分るのは、しんしんと、さんさんと。

 

春の陽射のように暖かい『白い雪』が上から降り注いで来ていることだ。

 

雪は、自分には降り注がない。

 

まるで自分を避けるかのように、そのもっともっと奥にまで降ろうとするかのように。

 

雪は、自分には当たらない。

 

それなのに伝わってくる、春の陽射の暖かさ。

 

それこそが目に見えない重圧。

 

それこそが全身を内から外から苛む衝動。

 

自分への悔しさ。

 

俺の非力さ。

 

白色に塗りつぶしてしまうこの雪から助けてやりたかったのに。

 

――さん。

 

結局、俺は何をしてやれたのだろうか。

 

――ちさん。

 

………。

 

地産?

 

鍵がささる。

 

あいまいな世界がぶれる。

 

ぐるりと、世界の色が反転して、「んぁ」と声が出て、全身を包む風の風を感じて、最後に。

 

「ゆーいちさん」

 

「へぁ?」

 

間抜けな自分の声と、女の子の顔と声と、頭の何だかやわらかい感蝕を感じた。

 

「あっ、祐一さんやっと起きたんですね」

 

「んー」

 

「…起きてますか? 本当に?」

 

「んー」

 

「…じゃあ、質問です。世界一可愛い祐一さんの恋人である私の名前はなんでしょう?」

 

えへへ、と目の前の少女が笑う。ものすごく近くにある少女の顔と、白と青の斑空。

 

ここは、ものみの丘。

 

急激に、

 

世界が構築されていく。俺が相沢祐一であることを全身が知る。

 

「…アントワネット」

 

「…誰ですかそれ?」

 

「いや、冗談なんだが…」

 

そういって、体を起こす。

冗談だから、ジト目でにらまないでほしい。ちょっと怖い。

あんまり睨まれると石化するかもしれないから、視線をそらす。そうしとく。

目に優しい緑があふれる草原、春色の風、どこまでも飛んでいけそうな空。

おかしい。

 

「もしかして、寝てた?」

 

「………(ふい)」←拗ねてる

 

いや、もしかしなくても寝てただろう。しかも男のロマン、膝枕で。

この沈黙は、寝てたから怒ってるのかもしれない、いや、きっとそうだ。

謝っとかないと後がコワイ。

きっと、アイスクリームを限りなく奢らされることになるだろう。

 

「………」

 

「あ、いや、ごめん。いつの間にか寝てたみたいで――」

 

「…なまえ」

 

「は?」

 

「名前、まだ言ってくれてないです…」

 

拗ねてるような、照れてるような、怒っているような真っ赤な顔で、小さく。

 

『…じゃあ、質問です。世界一可愛い祐一さんの恋人である私の名前はなんでしょう?』

 

何のことかと、思うちょっと前に思い当たって。

 

「あはははは」

 

笑いが漏れる。

 

「なっ、ぁっ、えぅ〜。そういうことで笑う人嫌いですっ!」

 

「ははは、あはははは…」

 

赤かった顔をさらに赤くして、頬を膨らまして反論してくるのが楽しくて、可愛くて。

 

愛しくて。

 

思わずぎゅっと、抱きしめたくなったから。

 

「えっ、あっ――」

 

ぎゅっと、抱きしめる。

遠慮なんかいらない。

この腕の中から逃げないように、消えないように、強く、だけど優しく抱きしめる。

 

「ぇぅ」

 

声が、耳元で聞こえる。首に、吐息がかかる。

女の子らしい、なんだか優しいと思えてしまうような匂いが鼻をくすぐる。春の匂いかもしれない。

 

好きだから。

自分の名前を呼んでくれなかった事を気にするところとか。

地面で寝転がったのでは頭が痛そうと、自分の膝に――いつも嫌がるのに――乗せるところとか。

そんな些細で、素敵なところが好きだから。

耳元で。

名前を呼ぶ。

 

「――栞…」

 

なにしろ、世界一可愛い俺の恋人の頼みだからなぁ。

その後も何回か名前を呼んでやる。

えへへ、と、嬉しそうな笑い声が聞こえる。

首にかかると息が、すこし擽ったかった。

 

 

――

 

いつの間にかというぐらい自然に栞と離れていた。

ああ、なんていうか、柔らかくていい匂いがして気持ちよかったのに――。

残念。

そう思いながら、隣を見る、俺の横にちょこんと座って、さり気に肩にもたれている栞を。

――………。

なんというか、すこしぼけぼけしている。

 

「ぼけぼけしてませんっ!」

 

「エ、エスパー?」

 

きっ! と睨んできながら反論してくる。

いや、すごい。

 

「いつの間にか読唇術をマスターするとは、やるなしおりん」

 

「口にだしてたんですっ、っていうか何ですかしおりんって?」

 

「ニックネーム、栞の」

 

「嫌ですっ」

 

「いや、ユーモアセンスあふれる、まるで二人の愛情を示すようなエクセレントな名前だと俺は」

 

「嫌ですっ!!」

 

「…残念」

 

俺は残念そうな顔をして、草むらに寝転がる。

のの字も書こうと思ったが体制的に無理だった。

 

「えぅ〜」

 

隣で、栞が本当に拗ねて鳴いていた。

 

「せっかく、らぶらぶな雰囲気だったのが台無しです〜」

 

起さなきゃ良かったですとか、どうしてそういうことしか言えないんですかとか。

そんな様子もどこか可愛いと思ってしまう俺は、どうなんだろう、恋人馬鹿(?)なのだろうか。

 

「別にいいじゃないか、時間は――」

 

もう。

 

「たっぷりあるんだから」

 

結局、俺は何ひとつ栞にしてやれなかったけど、病気が治って、一緒にいられるんだからそれでいい。

そういうと、すこし顔をゆがませて、でもすぐ笑顔になって。

 

「えへへー。大好きですー」

 

そういって、俺にもたれかかって来た。

もたれかかるといっても、俺は寝ているのだからむしろ倒れ掛かるような感じでだったから。

 

「ぐぇ」

 

すこし、重かったって言うのは、内緒にしとこうと思う。

 

 

―――

 

「祐一さん、私がいつも気にかけてるっていうこと知ってますか?」

 

「え?」

 

栞が、俺にもたれかかった状態で突然聞いてくる。

栞が。

気にかけている?

 

「胸か?」

 

「っ、えぅー。違いますっ!」

 

「違うのか?」

 

「ぁ、えぅ、違ったりはしないんですがー」

 

「なら、あたりだ」

 

「えうー。そういうことじゃなくて…。…やっぱり質問変えます」

 

「うむ、なんでもこい」

 

「それじゃあ。…えっと…私可愛いですか?」

 

――………。

 

「は?」

 

「は? じゃないですー」

 

なんというか、意外性ありまくりの質問だった。私が可愛いかなどと聞いてくるとは…。

栞も恥ずかしかったらしく、顔を赤くしているし。

思わず意識が飛んで、間抜けな答えを返してしまったではないか。

相沢祐一一生の不覚。

 

「ぇ、えぅー。早く答えてくださいー」

 

「ん、ああ」

 

沈黙にいたたまれなくなったのか、栞がより顔を赤くして言ってくる。

栞が可愛いか。質問の内容はコレ。

なんと簡単な質問なんだろう、考えるまでも無いじゃないか。

俺の答えは当然。

 

「可愛い。言うまでも無く――栞は可愛いよ…」

 

俺がそういうと照れたように笑って、ありがとうございますと言い、前よりぴったりとくっついて来た。

続ける。

 

「じゃあ祐一さん、私が生まれながらに可愛かったと思いますか?」

 

「ん、さあ。そうなんじゃないか?」

 

栞の小さいころは知らない。今度アルバムでも見せてもらおうと思う。

 

「えへへ。嬉しいですけど違いますよー。何にもしてないわけじゃないです」

 

「へぇ」

 

「男の人がどうなのかは知らないですけど、女の子は綺麗でいたいって思うんです、特に好きな人の前では」

 

ああ。

 

「恋をすると。女の子は綺麗になるって言うもんなぁ」

 

「はい、それです。でも、正確には綺麗でありたいんじゃなくて、嫌われたくないんですけどね」

 

「栞も、か?」

 

「はい、祐一さんに嫌われたくないですから、気を使ってるんですよ。ほら」

 

そういって俺の手を栞の髪へと導かせる。

柔らかい。

さらさらと指の間を通る髪は、清らかな水が流れていくようで気持ちがいい。

おもわず、髪の毛を梳くように頭をなでる。

 

「なるほど、確かに」

 

俺の髪ではこうはいくまい、わしゃわしゃと適当に洗うだけだもんなぁ。

 

「綺麗になりたいって思って、そのために努力して、こうして頭なでてもらって――」

 

にこにこと笑顔で、

 

「嬉しいですー」

 

そういって笑う。

 

そんなしぐさが可愛かったからか、頭をなでる動きもじっくりと楽しむようなものになる。

まぁ、気持ちいいし、うん、やめる必要は無い。

そう思いながら、俺はひとつ疑問に思った。

 

「そういえば、何でこんな話をしたんだ?」

 

「えへへー。それはですねー」

 

「…それは?」

 

「頭を撫でてもらいたかったんです、なんか恋人同士みたいな感じで――」

 

そんな小さな夢。

それでも、栞にとってはやはり恥ずかしかったのだろう、顔が赤い。

きっと俺も恥ずかしがって、頭を撫でなかったに違いない。

栞にしてやられた。

だから。

仕返し。

 

「でも、この身長と胸じゃ恋人じゃなくて兄弟かもなぁ」

 

「えぅー、そんなこと言う人嫌いですっ!」

 

でも。

 

どんな栞でも大好きだと、付け加えておく。

口では、言わないけれど。

心の中で。

 

 

―――

 

 時々。

今、俺が栞とこうして笑っていることがとてつもなく嫌なことがある。

栞が嫌いなわけじゃない。

ただ単に、栞とこうしている俺が嫌いなんだ。

何もできない俺がいるよりも、もっと他の奴がいいんじゃないかと、そう考える。

もちろんそんなこと言えば、きっと栞は俺のことを嫌いになるから言えないし、抑えるのだが。

それでも、俺は辛そうな顔をするらしく。

それを見て、栞も辛そうな顔をしてしまうから、必死に内面に抑えていたつもりで。

いつも、何も言われてなかったから、ばれてないと思ってたんだが――

 

「祐一さん――どうして、そんなに辛そうな顔をするんですか?」

 

どうにもばれていたらしい。

もちろん、俺は、

 

「ん、いや、別に辛いつもりなど無いのだが?」

 

などとごまかすのだが、今日はさっき栞にやられたせいもあるのか、

 

「嘘です」

 

「ん、どうして?」

 

「…祐一さん、どうして私が祐一さんを起したと思いますか?」

 

質問を質問で返される。とりあえず、ここは律儀に答えるが吉。

 

「…暇だったからとか?」

 

「違います」

 

「むぅ、じゃあなにかね、しおりん」

 

「…祐一さんが苦しそうにうなされていたからです」

 

うは。

 

思っていることがさらさら口からこぼれるもんだから、夢もこぼれているようである。

穏やかな緑、濁りの無い青と白の斑の空。春らしい暖かさ。

それなのに、背中に伝う汗は冷たい。

ついでに、栞の視線も。

 

「祐一さん、つらいことや、悲しいことが、あるなら言ってほしいです」

 

想いは言葉にしなければ伝わらないからと。

 

けれど、そういっても俺が答えなかったせいだろう。

すごく、辛そうに、悲しそうに。目を伏せ、顔を俯かせる。

 

俺は何をしている、栞に嫌われるかもしれないという恐怖から逃げて、悲しませて。

それでは本末転倒だ。

 

ああ、もういい、いってしまえ。

あとでどうなってもいい、とにかく今は――

 

――自分の、弱み、辛さ、悲しみ、悔しさ――

 

普段は見せない部分を、今日だけ、少しだけ、嫌われたくないから言わなかったことを――

 

言おう。

 

「――栞」

 

沈黙が破られて、かばっと栞が顔を上げる、少しだけ目尻に浮かぶ雫が見えた。

嫌だ、見たくない。

俺は、栞から視線をそらし、空を見上げ、独り言のように栞に語る。

 

「俺は、お前に何をしてやれたのかな?」

 

「――え?」

 

「お前が、病気で苦しんでいても、結局は治ったのだけど、俺は何もしてやれなかった」

 

「それは――」

 

「いや、わかっている。そんなのただの慢心だ。知識も力も無いのに栞の病気を治したいなんて愚かだ」

 

「ちが」

 

「違わない、結局お前だけが苦しんで、おれは無料で今の幸せを――」

 

「違いますっ!!」

 

びり、と鼓膜が振るえ、耳に余韻が残るほどの大きな声で栞がいきなり叫んだ。

はっとして、栞を見ると。

 

真っ赤な顔をして。

 

涙を、つぅと一滴流していた。

 

これでも、必死にあふれる感情を抑えているのだ、ひっくと喉を鳴らす音。

 

俺は栞を抱きしめる。

 

これ以上栞がなかないように、これ以上栞が悲しまないように。

 

できるだけ、強く、強く抱きしめた。

 

「っく、違う、違い…ます、っく」

 

胸が痛い。

 

やはり言うべきではなかった。

 

「話す」とは「放す」ということ、自分の思いを誰かにぶつけること。

 

こんな、辛く、嫌な思い。

 

やはり、栞に話すべきではなかったのだ。

 

「ちが、違います…。だって、だって、っ」

 

嗚咽。

 

胸が痛い。

 

 

―――

 

 栞が落ち着いて、「すいません、祐一さん」と言ったから、俺は抱いていた栞を話した。

栞の顔が前に来る。

赤い目、ナメクジのはったような涙の跡。

罪悪感。

 

「ごめん、やっぱり――」

 

「話すべきじゃなかったなんて言う人嫌いですよ」

 

えへへ、と笑って、言う。

 

「祐一さんと私はやっぱり似た物同士ですー」

 

「は?」

 

「祐一さんの言いたいこと、ちゃんと分りました、だから――」

 

そういって、栞はまだ少し赤い目で俺を見据える。

その赤い目に、どれだけの想いが詰まってるのだろう、その赤はどんな想いから来たのだろう。

 

「話す」とは「放す」ということ、自分の思いを誰かにぶつけること。

 

「今度は、私の話、聞いてください」

 

想いは言葉にしなければ伝わらないから。

 

「ああ」

 

そう、答えるしかなかった。

 

 

―――

 

 

二人して、草原に寝転がる。

ごろりと、大きく大の字を書くように。

栞は俺にぴとりとくっつくようにして、寝転がった。

栞は、なんかちょっと緊張しているらしく、さっきから深呼吸をしていて。

 

「よしっ」

 

気合十分だ。

栞は何を話すのだろう。

俺に怒ってくるだろうか、それとも慰めに来るだろうか、いや、しかってくるかもしれない。

どんな言葉にせよ、覚悟は決まっている。

横を見ると、栞の顔。

 

「祐一さん」

 

柔らかい唇が俺の名前を呼ぶ。

 

「病は気からって知ってますか?」

 

「は?」

 

なぜ、そんな話なのだろうか?

 

「知らないんですか?」

 

「あ、いや、知ってるぞ。心が元気なら体も元気みたいな感じだろ」

 

「はい、なんか違う気がしますが、そんな感じです」

 

「で、それがどうかしたのか?」

 

「…私は、祐一さんと出会う前までは、別に死ぬことをなんとも思ってなかったんです。

 

 祐一さんも知っているとおり、お姉ちゃんは私を避けていたし。

 

 誰か、話せるような友達もいなくて、一人で、淡白で、つまらなくて、死んでも別に変わらない。

 

 むしろそっちのほうが、いいのかもしれないとさえ思いました」

 

「………」

 

「…それで、祐一さんとであって、私は祐一さんが好きになりました。

 

 はじめは…自分の気持ち、認めて、いえ、認めたくなかったんです。

 

 だって、好きになっても、相手も自分も辛くなるだけだから、言わないで、でももう少しだけって」

 

「………………」

 

「でも祐一さんといるうちに、世界の楽しさを知って、耐えられないほど祐一さんを好きになって

 

 お姉ちゃんとも仲直りができて、嬉しかった。でも、それ以上に、死にたくないって思いました。

 

 そして、今、私は生きていられるんです」

 

「…でも、それは――」

 

「結果論に過ぎないって、思いますか?」

 

「――…ああ」

 

「祐一さん、自分で望まないとどんな奇跡もただの偶然になっちゃうんですよ」

 

そういって、栞は俺にもっと体を預けてくる。

 

その重み、暖かさ、その全てが確かに奇跡だ。

 

「生きたいと思って、いろいろと努力をして、今こうして祐一さんに甘えていられる」

 

『病は気から』

 

「祐一さんがいなかったら、今の私は絶対いません、だから――」

 

そういうと、栞は少しだけ体を起して、栞の顔が、俺に近づいて来て――

 

「――――」

 

音も無い、小鳥がさえずるようなキス。

 

それでも栞は真っ赤になって照れながらも、俺に思いを放す。

 

「そんな、辛そうな顔しないでください」

 

そう言った後、恥ずかしさを隠すようにえへへと笑った。

そんな姿が可愛くて、愛しくて、俺のことをこんなにも思ってくれているから。

 

俺は決めた。

 

「俺は、栞には悪いけど――結局栞に何もしてやれなかったと思う」

 

その言葉に、また、栞の顔が泣きそうに歪もうとしたから、

 

「でも」

 

と矢継ぎ早に、次の言葉を言う。

 

「これから、栞に何かをしてやることはできるからな」

 

そう言って、俺は立ち上がるともれなく栞もついてきて立ち上がった。

 

栞は照れて赤くなりながらも、すごく嬉しそうな笑みを浮かべていた。

 

きっと、俺も赤くなってるんだろうな、顔。熱いからなぁ。

 

こんな顔を、栞に見られるのは恥ずかしいから、とっとと家に向かって歩き出す。

 

「帰るぞ」

 

と、栞を促すことも忘れなかったのだが。

 

「えぅ〜。祐一さん待ってくださいー」

 

そんな声が後ろのほうから聞こえるのがおかしかった。

 

森を進む。

小鳥のさえずりが聞こえる。

春の陽射の暖かさが、今俺にある幸せが身に心地よく感じられた。

はぁはぁと後ろから走ってきた栞の息遣いが聞こえる。

このまま栞を家まで送ったら。

また明日と言って。

そして、また明日と言ったとおりにデートをしよう。

こんな、日常。

これも、きっとひとつの――

 

『キセキのかたち』

 

 

 

 

これもきっとひとつのアトガキのかたち

 止めてください。俺。

どうして私はこんな恥ずかしくて、あまあまで、死にたくなる物書いたんでしょうか?

獰猛、自分自身に取調べをしたい霧月です。

1,2ヶ月ぶりに書いたせいか、どうにもへぼさ漂う作品になりました。

なんか、栞が栞じゃないような気がしますが気にしない、きっとここ数ヶ月栞クリアしてないからです。

こんなんでも意見、感想くれると嬉しいです。

では。

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