Endless regrets 〜願い事ひとつだけ〜

さんかいめ

 

 

「バトルフィールド展開!!」

 雷牙の発生させたバトルフィールドは岩場だった。

「KANON BATTLE、レディ……ゴォーーー!!」

 雷牙の掛け声と共に久瀬が舞の懐に入ろうとする。

 が、後ろに跳び久瀬の間合いから外れ、剣を抜く。

「ほう、ロングソードですか、斬る事を専門とした剣、突く事は得意とはしていないので、余り威力は無い。

 もう一本背中に背負っておくのは、日本刀ですね……、まったく物騒な人だ」

 そう言いながら久瀬は、またも舞へと接近し、拳を突き出してくる、舞はこれを舞いはこれを避ける。

 しかし、久世の拳の勢いは止まらず、後ろにあった岩に拳を叩き付けてしまった。

 あの勢いでは拳が砕けたかもしれないと舞が思った瞬間、後ろで物凄い音がした。

 それは、人の骨が砕けた位では、とても出せるような音ではなかった。

 岩が砕けたのだ。

「ふっ、これが私の能力『爆砕』です」

 この『爆砕』は、拳に力を集中させる事で、発揮できるものである。

 砕くだけでなく、砕いたものを爆ぜる事もできる。が、その人の利腕(久瀬の場合右腕)からしか出せない。

「川澄さん、覚悟!!」

 久瀬が近くにあった岩に拳を叩きつけ、無数の岩を舞の方へ飛ばしてきた。

 舞は避ける事が無理だと悟り『切断』を使った。

「せいっ!!」

 舞が剣を振り下ろすと、無数の岩は左右に別れ、丁度舞いに道を開けるような形になっていた。

「『切断』……、まったく、恐ろしい力ですね」

 舞はその声を背中に聞いて眉をひそめる。

 久瀬はさっきの岩の陰に隠れて、背後に回り込んだのだ。

「安心してください。殺しはしません、ただ、肩を砕かせてもらうだけですから」

 久瀬は顔に嫌な笑みを浮かべて言うのに対して、舞は嫌な汗を浮かべてしまう。

 久瀬が右手に力を込めると、淡く光を放ち始めてた、これが『爆砕』の力なのだろう。

 その拳を舞の肩に叩き付けようとした、その時。

 舞の背中から『何か』が飛び出し久瀬に衝撃を与えて吹き飛ばし、岩にたたきつけた。

「クッ!!……何だ!?」

 岩に打ち付けられた時に受身でも取ったのか久瀬にはダメージがほとんど見られなかった。

 久世が目を凝らして舞の周りを見てみると、舞の周りには『何か』が浮いている。

(くっ、迂闊だった、川澄さんにこんな能力がついていたのか!?しかし、今度こそ!!)

 久瀬が構え直すと、舞は足元にあった石を拾って、一度力を込めて握ると、久瀬に向かって石を投げた。

「そんな物私には通じない!!」

 久瀬は自分に向かってきた石を砕いた。

「ぐあああああああーーーーーー!!」

 岩を砕いた久瀬の右手に、いくつもの切り裂いた後が付き、血を流していた。

「い、一体何が!?」

「……能力の応用」

 舞はさっき投げた石にあらかじめ切断の力を込めておき、久瀬が石を打ち砕いた瞬間その破片などで手を斬れる様にしておいたのだ。

 舞は、当てずっぽうにその方法を取った訳ではなく。

 初心者や慢心になっている者であったら、守りではなく攻に徹すると、確信していたからだ。

 久瀬は、痛みに堪えきれず膝を付く。

「……覚悟」

 舞は一気に間合いを詰め、剣で薙いだ。

「……峯うち」

 ……しかし、舞の剣に峯は無かった。

「舞VS久瀬      舞WIN!!『爆砕』GET!!」

 その言葉と共に周りの景色が元に戻っていく。

「……雷牙、何?『爆砕』GETって?」

「ああ、説明してませんでしたね。勝った人は、負けた人の能力を得る事ができます」

「……久瀬のを?」

 舞は珍しく、外見からでもハッキリ分かるくらい嫌そうな……、嫌な顔をした。

「久瀬が身に付けていたモノが、そんなに嫌か?」

 雷牙の言葉に舞が力強く頷く。と、後ろから声が聞こえてきた。

「……ま、まだですよ川澄さん。……いでよ!!」

 久瀬の声と共に黒尽くめの数十人の男達が何処からとも無く現れた。

「行け、お前達!!」

 黒尽くめの男達が、無言で舞と雷牙に追い掛かろうとしていた、その時。

「あはは〜」

 と言う、その場の雰囲気を読めてないのか、それともワザとなのか。

 はたまた天然なのか分からないが、一人の女性が男達の前に立ちはだかった。

「倉田さん退いて下さい!!これは貴女の為なのです!!」

「……久瀬さん。おとと逝きやがれです」

 佐祐理が手を叩くと一人の黒尽くめの男が現れた。

「殺っちゃって下さい、MIB(決して、マン・イン・ブラックと読んではいけない)」

 と、佐祐理が言った瞬間、一閃の光が走ったと思うと、久瀬集団が宙を舞っていた。

「な、何!!あの数を一瞬で!?」

 久瀬が恐怖と怪我で動けないでいると、MIBが目の前に立ちふさがった。

 と、雷牙は嫌な予感がして佐祐理に言った。

「佐祐理さん、お願いですから殺しは止めてくださいね」

「あはは〜、大丈夫ですよ。証拠は残しませんから」

「お願いですから、や・め・て・く・だ・さ・い」

「……分かりました。と言う訳ですから、久瀬さん消えてください」

 久瀬は悔しそうにその場を去っていった。

「で、佐祐理さん。この人何なんですか?」

「MIBは、佐祐理の家で開発したサイボ……。いえ、雇ったボディガードですよ」

「……追求しないほうが賢明ですね。でも、MIBは、今後使用禁止です!!」

「ふえ?なんでですか?」

「危険です(キッパリ)」

「……分かりました。残念ですが」

 聞き分けのいい佐祐理に雷牙が、ホッと息をつくと、舞がつまらなそうに言う。

「……佐祐理行こう」

 佐祐理は、はっと舞を見て。

「ごめんね〜舞。佐祐理はもう少ししなくちゃいけない事があるの。

 だから、先に祐一さんの所へ行っててくれるかな?祐一さん一人じゃ大変だろうから」

 舞は少し残念そうな顔をしたが、佐祐理の謝る姿と、祐一が大変、と言うのをを聞くと。

「先に行っている」

 と、走っていってしまった。

 

つづく(のかなぁ?)

 

 

・あとがき 

 どうも!!雷牙です!!

 このへたれ作者と思えないほどの連続作品ですね(一話ずつが短いけど)

 で、戦闘表現はどうでしたか?下手ですよね〜(ため息)

 しかし次回も有るんですよね、戦闘。しかも2回も、……疲れる(おい!!)

 では短いですがここいらで!!

 

次回予告!!

祐一に休む間もなく襲い掛かる人の欲望

欲望の渦は祐一を危機に晒し

祐一は抗う術を無くす

が、そこに駆け付けたのは!?

「勝負よ!!」

 

 

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