Endless regrets 〜願い事ひとつだけ〜

ごかいめ

 

 時間は少し戻り舞達の戦いの戻る。

 

「川澄先輩、手加減はしませんよ」

 栞はポケットからスタンガンを取り出しストールの中にその手を入れる。

 と、舞の背後からスタンガンを持った手が襲い掛かってきた。が、舞は紙一重でそれをかわす。

「私の力は『空間』、今のは宣戦布告です」

 栞の能力『空間』、栞はストールを媒介にして物体を通す事で敵(今の場合は舞)に奇襲攻撃などができる。

 が、当然範囲はある、それは栞が見える範囲。で、体力を多く削る。

「行きますよ!!」

 今度は栞が連続的に攻撃してくる。が、舞はこれをことごとく避ける。

「なぜ!?ちゃんと死角をついている筈なのに!?」

「……音と、匂いと、殺気」

 舞は神経を研ぎ澄ます事で栞の攻撃を避ける事が出来ている。

 しかしこれでは舞の得意とする接近戦が出来ない。

 だが、何を考えたか舞いは、栞が次の攻撃を仕掛けて来ようとした時に剣を横に薙いだ。

「無駄ですよ先輩、闇雲に攻撃してもこの『空間』は敗れませんよ」

 しかし、栞のストールに入れた腕は舞を攻撃しては来なかった。

「え!?ど、どういう事!?」

 栞が困惑している。

「『空間』の『切断』」

 舞は栞がストールを媒介にして繋げていた『空間』を舞の剣で『切断』したのだ。

「そ、そんな事が!?しかし、一時凌ぎでしかありません」

 栞の言う通りである。斬られた『空間』はまた繋げばいいのだ。

 栞が『空間』を繋げる、舞が斬る。繋げる、斬る。繋げる、斬る…………。

「「ハア、ハア、ハア…………」」

 さすがに二人とも疲れてきたのか肩で息をしている。

 が、戦いに慣れている舞の方が少し余裕かある。

 舞はこれを待っていたかの様に一気に栞との間合いを詰めるが、栞は『空間』の力で舞の間合いから外れる。

 これでは埒があかないので舞は久瀬戦でも使用した『奥の手』を出す事にした。

「……『まい』来て」

 舞が呼ぶと『まい』が現れる。『まい』は舞の剣に宿ると蒼い光を発し出した。

「……一回目は外すから」

 それを香里との戦闘が終った祐一が舞の本気を恐れ止めに入ろうとするが、本能がそれを止める。

「舞、何をする気だ!?」

 祐一はそれを言うのが精一杯だった。

「一回目は外すから」

 もう一度言うと舞は剣を振り下す。

 

―――――― 斬 ――――――

 

 舞が剣を振り下ろした先、十数メートルが『切断』された。

 それは、地面を裂き、大木を真っ二つにした。と、思うとそれらは砕け爆ぜた、『爆砕』である。

「これは警告、……次は無い」

 舞の目はマジだった。

「……解りました。少し残念ですけど諦めます」

 

「舞VS栞      舞WIN 『空間』の力GET」

 

 舞と栞の戦いが終わり、やっと自分を縛り付けていたモノが解け祐一と香里は二人に歩み寄った。

「舞あんまり無茶するなよ」

「……ごめんなさい」

 舞も流石に今回はやり過ぎたと反省してくれた様だ。

 祐一達は次の相手を探す為、適当に歩き回っている。

「なあ、なんで香里達まで着いて来るんだ?」

 美坂姉妹は今後予定を祐一達に潰され暇になってしまったのだ。

「いいじゃない、私達の願いを奪った責任は取って貰うから」

「こ、こら!!変な言い方をするな!!」

「まあ、まあ、私達は応援しますから」

「ありがとう香里、栞」

 と、そこに一人の女性が現れた。

「舞〜、祐一さ〜ん!!お待たせしました〜」

 この妙に間延びした声は誰でもない、倉田佐祐理のものだった。

「佐祐理さん、一体何をしていたんですか?」

「少し雷牙さんに手伝ってもらって、こんな物を作らせていたんです」

 そう言って、何かをポケットの中から取り出した。


「パンパカパーン!!『能力者レーダー』」
 

(こ、効果音自分で付けてる)

(倉田先輩ってもしかしなくてもお茶目な人?)

 祐一と香里がそんな事を思っているのも気にも止めずに説明をはじめる。

「これは雷牙さんが渡した能力から出る微量の電磁波を受信できるんです」

(て言うか名前のまんま?)

 佐祐理が持ってきた『能力者レーダー』は少し大きめの懐中時計の様な形をしている。

 そして真ん中のガラスの所が緑色で、そこには縦と横の線が規則正しく入っている。


「解り難い人(読者)は、『ド○ゴンレ○ダー』を思い浮かべると解りますよ〜」
 

(うわっ!!パクリかと思ったらモロに名前出してるし)

(放送コードに引っかかりそうな発言ね)

(ドラ○ンボー○を知らない人はどうすればいいんでしょう?)

 祐一、香里、栞のツッコミが心の中だけで入る。

 何故心の中だけかと言うと…………。


「あはは〜」
 

 佐祐理の笑顔。しかし、この笑みに何時もには無いプレッシャーが感じられる。

(私にプレッシャーを与えるなんて、名雪のお母さんと同等!?)

(このプレッシャー…まさかシャ○!?)

”ガキャン”祐一の問題発言(問題発想?)をした直後、激しい金属音がした。

「舞、頼むから無言の剣ツッコミはやめてくれ。

 そしてそれ以前に俺の心を読むのはやめろ」

 祐一は舞の剣を刀で受けながら声を上げる。

「……よく受けた」

 そう言って舞は剣を収めた。

「相沢君って、毎日がサバイバルね」

「……ああ、退屈はしないが時々お花畑が見えそうになる」

「あっ、それなら私も見た事あります」

「「……栞が言うと妙に現実味があるからやめてくれ(ちょうだい)」」

 

 

「ここに二人居るみたいですよ〜」

 さっきの騒ぎの後、結局『能力者レーダー』に頼りながら商店街に来ている。

「ここで二人って言うとあいつ等しか居ないな」

 祐一の予想は当たっていた。

「あう〜」 「うぐぅ〜」

 真琴とあゆである。その戦い振りを観戦しようと祐一達は二人に寄ってみた。

「炎よ!!炎よ!!炎よ!!」

 真琴は、能力である『炎』での連続攻撃をあゆに仕掛ける。

「風よ!!風よ!!風よ!!」

 あゆもそれを『風』の能力を使って相殺する。

「炎よ!!炎よ!!炎よ!!」

「風よ!!風よ!!風よ!!」

 あゆと真琴の相殺戦は続く。

  ☆10分後☆

「炎よ!!炎よ!!炎よ!!……」

「風よ!!風よ!!風よ!!……」

まだまだ続く。

  ☆15分後☆

「ほ、炎よ〜……」

「か、風よ〜……」

 このエンドレスな戦いを見ていた祐一は何かに我慢できなくなってきた。

「お前等、いい加減にしろー!!」

スパーン!!

 祐一が真琴とあゆの頭を叩く。

 と、今まで能力を使いすぎていたせいで体力のあまり残っていなかったいた二人はその場に倒れこんだ。

「祐一WIN     『炎』『風』GET」

 

つづく(はず)

 

 あとがき

雷「いや〜、今回は長かったな〜」

祐「と言っても約6KBだけどな」

雷「祐一、お前なんか性格がキツくなってきてないか?」

祐「お前のせいだろうが!!」

雷「えっ!?俺!?」

祐「お前が今の俺を書いているんだろうが!!」

雷「俺のイメージではこうなんだけど?」

祐「違う!!俺はこんなに性格悪くない!!」

名「え〜?」

 ガスッ!!(←名雪を殴った)

祐「”え〜”て言うな」

雷「やっぱり性格悪いよな〜」


次回予告!!

欲望の戦いは確実に終わりに近づく

しかし、終わりの前に立ちはだかる敵

それは、大いなる力の元に。

「祐一、最低だよ!!」

 

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