Tales of Eternia -THE ANIMATION-
− 変わらぬ日々 −
かつて戦乱があった。
後に極光戦争と呼ばれたこの戦乱は、
セレスティアとインフェリアの間に勃発したものである。
戦争終結後、
インフェリアとセレスティアの交流は途絶え、
現在に至っている。
そして今、二つの世界は滅亡するという。
その危機を救うべく立ち上がったのは・・・
名も無き若者たちであった。
・・・・・というその若者達は、そんなこと関係ないかのように平和な時を過ごしていたのだった・・・・。
流れる風、押し寄せる波、暖かな光・・・・。平和という言葉が一番しっくりとくる感じだった。
ここは『海上都市ベルカーニュ』 いつも通りの光景がいつものように当たり前に過ぎていく。
「なぁ〜ファラ〜。キールとメルディはどこ行ったんだ?」
「キールはまた遺跡のほうに行ったんじゃないの? メルディもね」
「あいつもあきねぇな〜」
リッド、ファラ、メルディ、キール。4人ともいつもと変わらない。ごく普通に時間を過ごしていた。
リッドはすることがなく暇だったため、小高い丘に登り、空を見上げていた。見渡す限り青く広がり、雲は流れつづけている。そんな空を眺めていた。
10分もたったのだろうか? 急に視界が遮られる。一瞬ではあったが・・・・。
「なんだ・・・・?」
周りを見回してみるとそこには、見覚えのある一匹のドレイクの姿があった。獰猛なモンスターのはずだが、それを飼いならしている者もいる。このドレイクのことは記憶に十分ある。
「バロッサ・・・・だよな・・・・?」
不思議そうに眺めていると、不意に声がした。
「よぉ、リッド。また空を見ていたのか?」
その声はバロッサの隣から聞こえてくる。見てみるとそこに人影があった。
その影も自分の知っている人物に当てはまるものがある。
「マローネ・・・・。なんか用か?」
「いや・・・・、別にな・・・・」
そう言いながらマローネは空を見上げる。
「ただ、お前がいるのが見えたからな・・・・」
「ふぅん・・・・お前もヒマ―――」
「リッドさま〜〜〜〜♪」
また違うほうで声がした。声の方を見てみると、駆け足で丘を登ってくるコリーナの姿があった。
「よぉ、コリーナ。今日はメルディと一緒じゃないのか?」
「いいえ・・・・」
コリーナはちゃっかり、リッドの隣に座り、大きく深呼吸をして。
「今日はキールさんと一緒に遺跡を見に行くって言ってて、クイッキーを連れて行こうとしていたんですけど、キールさんがファラさんにいろいろ頼まれて結局遺跡行きは中止になってそれで・・・・・・・・」
コリーナは一気に早口でリッドに説明した。
「それで、なんなんだ?」
リッドはコリーナに一気に説明されて少し訳がわからない、という顔をして一番肝心な、今メルディがどうしているかを訊いた。
「そ、それで・・・・」
コリーナは息を切らせながら、一言だけ――
「もうすぐ来るはずです」
とだけ言って、リッドが先程までしていたように空を見上げた。
空を眺めながらリッドは、何故バロッサがマローネに懐いているのかが不思議でならなくなっていた。
前に、「こいつは人懐っこいのサ」とマローネが言ったのを信じてエサをやろうとしたのだが、危うく自分がエサになりかけたという事もある。
何故だ・・・・? とリッドが珍しく一つの疑問に集中して取り組んでいるところに――
「リッドさま、一つ質問してもいいですか?」
とコリーナが声をかけた。
「ん? あ、ああ」
リッドは"バロッサがもし人間だったらマローネの下僕か"などと考えていた。既にリッドの頭の中に"バロッサが何故マローネに懐いている?"という疑問はなかった。
「あのですね・・・・、リッドさま達が持っている大晶霊の中で、一番強いのは誰ですか?」
意表を突いた質問だった。
「は!?」
リッドは一瞬意味がつかめず、口を開けたまま"はにわ"になっていたが、
「私も聞きたいな」
とマローネがバロッサに"お手"をしつけながらリッドに向かって声をかけたため、
「あ、そうだなぁ・・・・」
と考え出した。
コリーナも、いつの間にか近寄ってきたマローネも、興味深々の様子だった。特にコリーナは「わくわく」と口に出している程、リッドの答えに興味を示していた。
「キュエ〜〜〜〜!!!!」
突如バロッサが飛び上がった。それと同時にリッドも目をカッ!と見開き、
「ウンディーネだな」
と言った。続けて、
「ウンディーネはやっぱ女だったしな。女の人に真剣で斬りかかるのはちょっと抵抗があったし、火はなんとか防げるし、風も一瞬の痛みを我慢すればいいだけだったけど、水はどうもなぁ。時には鉄のように硬いし、掴み所がないというか・・・・。それに始めに戦った大晶霊だったからな」
言い終わるとリッドはまた空を仰いだ。
コリーナは「すごいですぅ〜」とか言っていたがマローネは――
「じゃあ、私は女じゃないのか?」
とリッドを睨み付けた。
「へ?」
「お前、いつぞや私と真剣でやり合っただろう」
言いながらマローネは鞘から剣を抜いた。
「えっ? そんなことあったか・・・・?」
とは言いながらも、頭の中にはいつぞや自分が用心棒として雇われた店でマローネと一戦交えた時の光景が鮮明に浮かび上がってきていた。
「どうなんだ・・・・?」
マローネの顔には明らかに"怒り"が浮かんでいた。
「う、うははははは・・・・・・」
リッドはうわづった声で笑った。
「リッド・ハーシェル!! その首・・・・・・もらったァーーーッ!!」
マローネはいきなり剣を大上段に構え、リッドに斬りかかった。
「うっ、うわァ!?」
リッドは横に跳んでマローネの斬撃をかわした。その光景を見ていたコリーナは、
「大変です〜。ファラさんを呼んで来るです〜!」
と言い、かけ足で明後日の方向に走っていった。
「コリーナ! そっちは森だ!! 違う、ファラは宿屋だ!! コリーナ!!!」
「まかせるです〜!!」
リッドの悲痛な叫び声も、暴走するコリーナには届かなかった。
「そ、そんな・・・・・・」
リッドははいつくばったままコリーナの走っていった方向に手を延ばし続けていた・・・・。
「!!」
不意に、後ろから迫り来る殺気を感じ、無意識に剣を抜き、反射的に後ろを振り返り襲い掛かってきた剣を弾いた。剣の持ち主は言うまでもなく・・・・。
「やるなリッド・・・・だが!!」
マローネは一度距離をとり、剣を"平突き"の構えに持っていき、
「雷神剣!!」
と、もの凄い気迫と共に、リッドに"突"を放った。
「くっ!」
もはや遊びではないと判断し、リッドは剣を下段に持っていき、
「虎牙破斬!!」
そう叫びながら、突進してくるマローネの剣を下からさばく。そのまま飛び上がり、自分の体重を上乗せして、剣を振り下ろした。
「・・・・フッ・・・・・・」
マローネは剣をさばかれたにも関わらず、頭上のリッドを見て口元だけをつり上げて細く微笑んだ。目は、相変わらずリッドの剣先を見つめている。
リッドの剣にわずかながら"歪み"が生じた。"歪み"とは、すなわち"迷い"である。やはり、人と真剣でやり合うのには慣れていないようだ。
「所詮、それがお前の限界だ!!」
マローネはその一瞬の隙を決して見逃すような人間ではなかった。リッドもそれを知っている。だからこそ、
「烈空斬!」
空中で体制を立て変えるといった離れ技をやってのけた。
体のバネをフルに活用した技である。剣と共に自分自身の体を回転させて、相手に向かって突進する技でもあった。
「ぅおおおぉお・・・・・・!!!」
リッドは叫びながらマローネに突進する。マローネもそれを受けるべく、剣を右手だけで持ち、
「秋沙雨!!」
と叫びつつも、もの凄い速さで"突"を幾度となく放った。
"斬り"対"突"であった。
実力的には二人に差はなかった。勝敗を決するのはもはや"時の運"かと思われた、が・・・・・・
「イフリート! シルフ!!」
「ウンディーネ!」
不意に二人の若者がリッドとマローネを止めに入った。いや、正確には2人と3匹(?)であった。
「やめるんだ! リッド!!」
キールはリッドを後ろから押さえつけた。
「マローネやめるよ〜!!」
メルディはマローネの背中を手をぶんぶん振り回してポコポコ叩いた。
「イテテテッ・・・・。分かった、やめるからキール! どいてくれ!!」
「わかったよメルディ。機会はいつでもあるんだし・・・・」
マローネの視線が一瞬だけリッドに向けられる。
だがリッドはその視線に気付かなかった。
メルディも、
「それはイイねェ〜。今度はメルディも一緒にな!」
などと言っている。
キールだけ、一瞬体を強張らせ、辺りをうかがったが、リッドが、
「どうした、キール?」
と言ったため、
「いや、僕の思い過ごしのようだ」
と首を横に振り、空を仰いだ。
空では鳥が飛び、さえずっている。
「いい天気だな・・・・」
リッドが芝生の上に寝っころがりながら言った。
「まったくだ・・・・」
マローネも腰を下ろす。
メルディはキールの横で、同じように空を仰いだ。
そこに――
「ファラさ〜ん! こっちです〜〜〜!!」
と、とても聞き慣れた声がした。
「よ〜し! リッドの奴をとっちめてやるんだから!!」
そして出来れば聞きたくなかった声も・・・・。
「リッドーーー!! 覚悟しなさーーーい!!!」
だがその勢いも、この光景を見たら吹き飛んでしまった。
「あ、あれ・・・・?」
ファラは丘の上にくると首をかしげた。
様子が変・・・・というより、聞いた状態と違う。
ファラを呼びに来たコリーナによれば――
『リッドさまとマローネさんが、まるでハブとマングースのように血で血を争う、筆舌にしがたいソーゼツな戦いを繰り広げているんですぅ!』
と、たしかにそう言ったのだ。彼女は・・・・。
「変だな・・・・?」
ファラは、コリーナの方を見ようと視線を右に移した。
だが、先程までいたコリーナがいない。何がなんだか分からなくなって、頭を抱えていると、
・・・・・・・・・・・・・・フッ・・・・・・・・・・・・・・・
と、一陣の風が吹いた。
心地よい潮風が、皆の間を吹き抜けた。
全てを忘れて身をゆだねたくなる風だった。
ファラもリッドと同じように芝生の上に寝ころんだ。
コリーナもいつの間にかリッドの隣で寝こけていた。
「あらあら、皆さんおそろいで・・・・」
「うわぁ〜、ここからの眺めは最高ですね!」
間のびした声と、シャキシャキした声が聞こえてきた。
「プラティアさん。それにミニマちゃんも」
ファラが起き上がる。
間のびした声の主は、リッド達が世話になっている宿の女将のプラティア。
シャキシャキしている方は、この島で万屋をやっているミニマである。
2人は大量の荷物を持っていた。
「大変そうですね。持ちましょうか?」
ファラが2人の方に歩き出すと同時に、リッドが――
「食い物の匂いがする・・・・」
と言って起き上がった。
キールとメルディが振り返り、リッドとマローネが同時に起き上がる。
コリーナは「ホエ」と言って目を覚ました。
「みなさんと一緒にお昼を食べようと思って、沢山作ってきたつもりなんですけれども、これじゃあ足りないかもしれませんね」
プラティアが、お嬢さまがよくする、「困りましたわ」のポーズ(左手を頬にあて、首をかしげる)をしていると、
「フッフッフッフッフ・・・・・・」
ミニマは怪しげな笑みを浮かべた。
「実はこんなこともあろうかと、こんなものを用意しちゃいました!」
ミニマは「どこからそんなものを・・・・!」というコトなど気にせず、自分の後ろから、自分よりも大きな弁当箱を取り出した。
キールが「そんなことは物理的に不可能だ!」と言いかけたのを、プラティアが、すかさずおにぎりで口を塞いだ。
「むぐぐぐぐっ・・・・!」
キールが喉を詰まらせていると、
「おいおい、そんなに急いで食うなよ」
とリッドが笑い飛ばした。
メルディが「バイバ! 水、みずぅ〜!!」と言って、水筒を渡そうとしてこけた。
言うまでもなく、キールは頭から水をかぶった。
皆の笑い声が空に響く・・・・。
よく晴れ渡った空に・・・・。
「この話はこれで終わりだ・・・・」
マローネが独り呟いた。
「何を言ってるですか?」
と、コリーナが訊いても、
「何でもないよ、なんでも・・・・」
と言うだけだった。
この後、皆はそれぞれの道を歩み始めるのだが、それについてはまた別の機会に・・・・。
「あぁ、またいつの日か会える日を楽しみにしている・・・・」
by マローネ・ブルカーノ
THE END
あとがき・・・・か?
(遥)どうも遥蒼でぃす! いや〜見りゃ分かるけど『えたにゃ』ですっ☆
しかもアニメ〜、といっても書いたのはほとんど今待機中のお方。実際書いたのははじめの方だけかな? 楽したよ〜マジで〜。
なんてバカなこと言ってないでさっきから話したくて話したくてうずうずしてるこの話の本当の作者君に話をしてもらいましょ〜! さぁ、クルト君! 出番!!
(ク)やめてくれ・・・・。
そんなに喋りたくはないんだけどねぇ〜。とりあえず最近、ハッ○ポッ○ステーションとおじゃる○、仮○ライダーア○トにハマリまくってるクルトです。
この作品は、途中受験やら何やらでずっと忘れてて、学校の文化祭で映画をやることになり、その原作をまかされたことにより、何故か思い出し、一朝一夕で書き終えたような作品です。
終わりが強引なのはまぁ、カンベンして下さい。
ミニマが出した弁当箱は、おそらく四○元○ケットから出したモンだと解釈していただければ幸いです。(ミニマって四次○ポケ○ト持ってるデッショ)
半年振りにエターニアのアニメを見て、「やっぱりシメはマローネでしょ」と勝手に思い込み、こんな終わり方に・・・・。
何だかんだ言って喋りまくりましたねぇ。とりあえずここいらで。また機会があったら文化祭でやる映画の原稿の方も載せたいと思います。
それでは、やまない雨を見ながら書いた「あとがき」もこれにて終了也。
(遥)ん〜、じゃあこの辺にしとくか!
(遥)&(ク)『そいじゃ!』
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