TALES OF PHANTASIA

− holy snow −

 

 しろ。一面のしろ。そう、しろ。つまりはしろ。

 とにかく、世界が白(雪)に包まれている。ココ、忍者の里も例外じゃない。・・・寒ィ。

「ちぇ〜すたっ☆」

 と言うのに、何故にコイツはこうも元気なんだろうか・・・。犬か?

 こんな寒い日はこう・・・コタツに入ってゆっくりと・・・。

 目の前には蜜柑もあるし、すずちゃんが入れてくれたジャポンのお茶もあるし・・・抜け出せるわけが無い。

 犬と言ったのは他でもなくアノ歌・・・。

「い〜ぬは喜び、に〜わ駆け回り・・・」

 そうそう、確かこんなんだったな・・・。

「ね〜こはコタツで丸くなる〜・・・」

「アンタ・・・急に何歌いだすわけ・・・?」

 オマエが犬だからだ、と言いかけたのを飲み込む。

「だから嫌だ」

「まだ何も言ってないけど」

 ・・・・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・・・・。

「とにかく嫌なものは嫌だ」

 こんな寒いのに、やる気が起きるか・・・。

「何よ!人の話も聞かないで!!」

 やる気ねぇからな・・・。

「なんだ?一応は聞いてやるよ」

「そお?じゃあねぇ・・・えぇっとぉ〜・・・」

「さっさと言ってくれ。つーか寒いから戸を閉めろ」

 入ってきて閉めない、コレは最悪だ。寒い。とにかく寒い。開いた戸の間から吹き抜ける風は無茶苦茶冷たい。そりゃもう、アイストーネード並に。いや、気分的にソレ以上だ。

 と言うわけだから、戸は閉めるようにしような!・・・って、何言ってんだ俺・・・。

 

   ぱたんっ ←戸を閉める音。ドアじゃねぇぞ?ジャポンだしな。

 

「・・・だから、・・・アーリィ行こうよ」

「嫌だ」0.1秒却下。

「・・・・・・イイじゃんか・・・」

 どこがだ。こんな寒い日に行ってどうする?死ぬ気か??『若者二人、凍結死体で発見される!』とか新聞に載るのはゴメンだ。

「イイわけねぇだろ。こんなに寒ィのにどうする気だ?」

 俺の考えはもっともだよな?

「だって・・・・・・たいんだもん・・・」

「は?なんだって??」

「・・・なんでもイイじゃん!!で、行くの!?行かないの!!?」

「なに怒ってんだよ・・・」

「怒ってないわよ!!」

 怒ってる。

「い・く・の、い・か・な・い・の!!!?」

「行かねぇよ、バカ」

   ぶちぶちんっ!!

「なぁ〜んですってェ〜〜〜っ!!」

   ごうっ!

 炎。

   ぶあっ!

 冷気。

「お、おい!ココ、すずちゃんの家だぞ!!?」

 両手にそれぞれの力が発生している。止まらない。とまらない。トマラナイ。

「ふふ、フフフフ・・・」

   ごおおおお!! ぶああああ!!

「マジか・・・?」

   こくん。←頷きヒトツ。

「た、助け・・・!」

究極消滅魔術ディストラクション!!!!」

   か!ずおおおおおお・・・・・!!!

 二つが合わさり一閃の光の矢と化す!

「ぐはっ!」

   どごおおおおおおお!!

 押す。押す。押す。炸裂しないで突き進む。貫かれるかもしれないほどの衝撃。

「逝っちゃえぇ!!」

「ぐわああああああ!!」

 激突、激突する!?壁に!?戸に!!?

   すっ・・・ぱたんっ

「な!?」

 ・・・しないで外に飛び出る。尚も威力は落ちない。押す。押し続ける。

「うああああああ!!」

   きいいいいいいいん!!!

 さ、炸裂する!?

   ひゅん!

「忍法、雷電!!」

   ずどがぎゃあああああああん!!!

 は、弾いた!?あの魔術を!!?

   ずごおおおおおおおおおおおおおおおん!!!!!

「は、はは・・・」

 なんちゅー威力や・・・。←口調変わってる;(汗

「危なかったですね」

 見てみるとソコには・・・一人の女の子が立っていた。もちろん知らないわけじゃない。すずちゃんだ。

「サンキュー。助かったぜ」

「いえ・・・」

 死ぬトコだった・・・。

「そういえば、急に戸が開いたな。まぁ、開かなくても突き破ってたと思うけどな」

「・・・・・・・・・」

 あん?急に押し黙って・・・。まさか!

「戸を開けたの・・・すずちゃんか?」

「・・・・・・はい」

「どうして・・・?」

「それは・・・」

 いや、別に悪い事したわけじゃないんだけどな。ただ戸を開ける理由がわからん。

「それは・・・?」

「家が大破するのだけは避けたかったので・・・」

 あぁ、なるほど・・・。

「そういうことか」

「・・・はい」

「ま、別にいいけどな。助けられたのは事実だし」

 ホントに死ぬトコだったぜ。

「・・・・・・まだ安心するのは早いと思います・・・」

「・・・は?」

「なぜなら――」

「チェスタァーーーーーっ!!!!」

 ・・・忘れてた。

「お、おい!落ち着け!!」

「ふふ、フフフフフ・・・・アハハハハハ・・・・・!!」

 こ、壊れてる・・・!?ヤベェぞ!!?

「死んでくれる・・・?」

「嫌に決まってんだろ!!?」

「じゃあ死んじゃえ〜〜〜っ!!!!」

 問答無用か!?マジかよ!!?

「はう・・・」

   ぽてっ←倒れた。何故?

「す、すずちゃん・・・」

「危険なので眠ってもらいました」

「ナイスだ」

「・・・・・・・・・家の中に運びましょう」

「あぁ、そうだな」

   数分経過・・・。

「まったく・・・アーチェの奴、いきなりアーリィに行こうなんて・・・」

 寒ィのに・・・。

「今日がクリスマスだからだと思います」

「・・・ぁあ!今日クリスマスか!!完全に忘れてた・・・」

 クリスマスか・・・。でもなんでアーリィなんだ?

「きっとスターダストが見たかったのだと・・・」

「・・・心の中が読めるのか?」

「私、忍者ですから」

 テレパシー使い・・・?

「それはそうと、スターダストか・・・」

「精霊という噂もありますね」

「らしいな」

 アーリィに行ったときに聞いた。

「・・・・・・でも寒いしな・・・」

「行ったほうが良いと思います」

「ん?なんでだ??」

「あなたが一番よく知っていると思います」

 ・・・・・・・・・・・・分かった。

「確かに行った方がよさそうだな」

「はい」

「しょうがねぇな。じゃあ、起こして行ってくるぜ」

「はい、お気をつけて」

「あぁ・・・」

「どーしたのさ、急に連れて行ってやる、なんて」

 恐ェからに決まってんだろ・・・。

「なんとなく、な」

「ふぅん」

 只今レアバードで飛行中。目的地はアーリィ。風が冷てぇ・・・。

「なぁアーチェ、寒くねぇか?」

「寒い」

 言う割に余裕そうだけどな。

「そうは見えないけどな」

「あったりまえじゃん、魔術で空間を暖めてるし」

 ・・・・・・便利だな。

「俺の方も頼む」

「イヤ」

 ・・・・・・・・・いつか泣かす。

「寒・・・いぞ・・・・・・」

 寒い。無茶苦茶寒い。アイストーネードのど真ん中にいるみたいな気分だ・・・。

 やっとアーリィに着いたはイイが・・・この寒さはいただけねぇな・・・。

「とりあえず防寒着買わねぇとな・・・」

「そうだね」

※←いろいろあったかもしれません(笑

「で?これからどーすんだ??」

「とりあえず街出ようよ」

「んじゃ、そうすっか」

「うん!」

 って、外でてどうする気だ?・・・・・・ま、いっか。

「無茶苦茶寒いぞ・・・」

「言わないでよ・・・」

 気温はマイナスだ。絶対マイナスだ。氷点下だ。凍るって。

「とりあえず・・・歩こうよ・・・」

「あぁ・・・」

 止まってるよりは動いたほうがイイ。そうしないと凍る。いや、マジで。

「寒いな・・・」

「寒いね・・・」

「なんか吹雪いてきてないか・・・?」

「そうかもしんない・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

   びゅおうっ!!

「キャア」

 突風。冷たい冷たい、くそ冷たい、怒りが生まれそうな程に冷たい。そんな風が吹き抜ける。・・・しかも収まらない。

「完っ全に・・・吹雪い・・・てるぞ・・・」

「分かって・・・るわ・・・よ・・・」

 これ以上ココにいたら・・・『若者二人――――』なんて事に・・・。

「嫌だ」

「チェス・・・ター・・・?」

「嫌だ御免だ願い下げだ、絶ッ対にそれだけはァ!!!」

「チ、チョット・・・」

「行くぞアーチェ!!」

「え?う、うん」

   ずどどどどどどどどっ!!!←吹雪の中を猛然とダッシュ!さすが『激マッハ野郎』

「どっかに吹雪の収まるのを待てるトコ・・・!」

 この吹雪の中にいたら・・・マジで新聞に・・・。嫌だ。

「あ!あそこ!!ほらチェスター!!」

 ん・・・?こ、小屋だ!!よし!!

「あそこで休むぞ」

「うん」

   ばたんっ←ドアを閉める音。

「あー寒ィ!」

「・・・・・・・・・」

「ん?どうしたアーチェ」

 急に押し黙っちまって。

「・・・ゴメンね」

「は?」

「その・・・ムリにこんなトコまで連れてきてもらちゃって・・・」

「なんだ、そんなコトか。イイって、俺の意思だからな」

「でも・・・」

「そんな顔されるほうが困る」

「・・・うん」

「だからまぁ、気にすんな」

「うん」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「ねぇチェスター・・・」

「ん?」

「寒くない?」

「寒い」

 そりゃ骨まで冷えてる。風呂入りてぇ・・・。

「もっとこっちきてよ」

 ・・・は?

「なんで」

「寒いじゃんか」

 そりゃ寒いが・・・。

「もう!」

「な・・・!?おい、アーチェ・・・」

「寒い時は近くにいたほうが体温が逃げないの」

「そんなこと知ってるけどな・・・」

 そうも近付かれると・・・。

 な、なんか心臓が破裂しそうだ・・・。鼓動が早くなってる・・・。

(アーチェ・・・)

   ぱんっ

 心の中で何かが弾けた。

   きゅっ・・・。

「チェスター・・・?」

 後ろからその震える体を抱きしめていた。

「寒いんだろ・・・?」

 拒むことはしない。驚いた顔はしたが・・・。

「うん・・・」

 少し強く抱く。でも、あくまで優しく・・・。包み込むように・・・。

「・・・・・・・・・・・・」

 顔を真っ赤にしているアーチェが

(かわいい)

 そう、本気で思う。

 前から・・・会った時から、なんとなく気になっていた。

 だけど、今は・・・今は本気でアーチェのことが――――

「チャスター・・・」

「ん・・・?」

 自分を呼ぶ声。存在を確かめるように、自分の存在を。

「あったかいよ・・・」

 そう言って体を摺り寄せてくる。幸せそうな顔で・・・。

 愛しい。俺は・・・やっぱりコイツのこと・・・好きなんだろうな・・・。

「ねぇ」

「なんだ」

「どうしてアタシと来る気になったの・・・?」

「どうしてって・・・そりゃ――」

(オマエのことが好きだから・・・)

 ・・・なんて言えるか。

「まぁ、なんとなくだ」

「ホントに・・・?」

「なんだよ」

「別に・・・。アタシは嬉しかったよ。チェスターが一緒に来てくれて・・・」

「アーチェ・・・」

「ねぇ、チェスター・・・ホントのコト言ってよ・・・。聞きたいよ・・・」

 アーチェ・・・俺は・・・俺は・・・。

「俺は・・・オマエのことが・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・好きなんだ」

「・・・・・え?」

 言っちまった。

 アーチェは俯いちゃってるし・・・どうすんだ。

「・・・アタシもだよ」

「なんだって?」

「アタシもチェスターのコト・・・好きだよ」

「・・・・・・・・・・・は?」

 何?空耳?幻聴?錯覚?嘘?冗談?

 でも確かに・・・「好き」って・・・。

「アーチェ・・・?」

「な、なによ」

「それ本当か・・・?」

「二度も言わさないでよ!」

「・・・すまん」

 ・・・冗談じゃない。ってことは・・・。

「アーチェ・・・俺が言ったこと――――」

「あ!吹雪やんだみたいだよ!!」

   ばたんっ!

「・・・はぁ」

 ま、イイか・・・。

「わあ・・・」

 外に出て目に入ったのは・・・光の風。

 いや・・・小さな光の流れだ。これが・・・スターダスト・・・?

「きれい・・・」

「ホントだな」

 ホントに嬉しそうな顔して・・・無邪気って言うか、何と言うか・・・。

(かわいいな・・・)

「ねぇチャスター、ほら!見てよ!!」

 それほど嬉しいのか、落ち着きが無い。走り回ってる。

「おいおい、危ねぇぞ」

「平気へい・・・きゃっ!?」

「アーチェ!」

   ぽすっ

「ほへ?」

「ふぅ、危ねぇな・・・だから言ったろ」

 間一髪。何とか抱き留めれた。

「ゴメン・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

   ぎゅっ

 そのまま抱きしめる。

「ちょっ・・・チェスター・・・?」

「・・・好きだ」

「・・・・・・・・・」

「俺はオマエが好きなんだ」

「・・・アタシもだよ」

「アーチェ・・・」

「チェスター・・・」

 お互いがお互いの名前を呼び、存在を確かめ、感じ、そして・・・抱きしめる。

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

 そのまま顔と顔が近付き・・・そして唇も・・・。

「チェスター・・・」

「アーチェ・・・」

 二人の唇が――――

 

   どかっ!

「――――いっつつつ・・・」

 ゆっくりと体を起こす。ココは・・・部屋?

「・・・・・・・・・夢、か・・・。まぁ、そうも都合のイイ話が・・・」

   どたどたどた・・・ばんっ!!

「チェスター!」

「アーチェ・・・なんだ?」

「アーリィ行こうよ!!あと・・・」

『メリークリスマス』

fin

 

《☆》あとがき《☆》

 どうも。クリスマスということで書いてみました・・・。

 チェスターとアーチェじゃないですね、すでに。

 二人の関係はこんなんじゃいけない。分かっているけど書いちゃったのです。

 いや〜疲れた疲れた。期限があるって辛いナァ・・・。

 さて内容。時間的なことは気にしないで下さい。クリスマスがあるのか、とか、雪降ってるような時にまだジャポンにいる、とか・・・。

 それは別にイイとして、スターダストってなんぞや?んなもん見たことないから知らないよ。適当だよ。話しかわからねぇ。

 つーか、クリスマスなんてほとんど関係ないやん・・・。これが一番大きな問題かも。

 ・・・ふぅ。問題だらけだな。ま、気にするな。気にしたら負けですよ。うん。

 とまぁ、こんな作品ですが、感想とか貰ったら喜びます。そりゃもう、泣いて喜びます。(多分

 では、最後ですが・・・乱筆、乱文をお許しください。え?ダメ??むぅ・・・。

 ※注 コレもかなり古いです。

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