Endless Regret 〜願い事一つだけ〜

いっかいめ

 

 

「祐一、確かここだよね」

「あ、ああ、ここって書いてあったからな」

 ここは祐一たちが通っている高校のグラウンド、今日祐一たちはある一人の男に呼び出された。

「相沢君、名雪、こんな所に居たの?相変わらず待ち合わせの時間ギリギリね」

「香里……、俺時々、この生活が嫌になってくるんだ……」

「深刻な問題ね……」

「祐一なんで?」

 名雪が物凄く不思議そうに、そして、心配そうに見てくる。

「当の本人が、これじゃあね……」

「国に帰る!!」

「諦めなさいって」

 香里は、そう言いながら祐一の背中を軽くたたく。

「香里、代わってくれ!!」

「絶対に、嫌」(一秒)

 香里がにこやかに返す。

「もしかして二人とも、失礼な事言ってる?」

「そんなことない(ぞ、わよ)」

 それを見て名雪は"う〜"と唸っている。

「ところで……

「祐一さ〜ん」

 祐一が何かを喋ろうとした時、佐祐理と舞が祐一の姿を見つけ、こっちへ来た。

「おはようございます祐一さん」

「おはよう、佐祐理さん。よう、舞」

「……よう、祐一」

「祐一さんたちも呼ばれたんですか?」

「ああ、と言うか、いつものメンバーは、大抵来てるんじゃないのか?」

「でも、北川さんや、天野さんは、来てないみたいですよ」

 佐祐理は、周りを見渡しながらいう。

「天野はともかくとして、あの、お祭り好きの北川まで来てないのは変じゃないか?」

「そう言えは北川君昨日から何か用事があるっていってたわよ」

「用事?奴にそんな大事な用事なんてあるのか?」

「祐一、それは失礼だと思うよ」

「いいのよ名雪、北川君はそういうキャラなんだから」

 香里はさりげなく物凄い事を言う。

「う〜ん……、そうかもしれないね」

 名雪も納得してしまった。

「あ、主催者のお出ましですよ」

「あ〜、テス、テス、マイクテス……ゴホン」

 主催者は小説であるにもかかわらずマイクテストなどをやっている。

「今日は、集まってもらって本当にありがとう。何故皆さんに集まってもらったかと言うと……。

 明日一日をかけて皆さんに戦って……、ゴフゥ!!」

 雷牙が言葉を言い終わる前に祐一のファントムアッパー(幻の右)が唸りを上げた。

「おい雷牙、無茶な設定ばかりやってると、いつか締め上げるぞ(ここ居る全員で)」

 祐一は、ギャルゲーの主人公ならぬ言葉使いで、よりにもよって作者を虐めている。

「ゴハっ!!ゴホッ!!ゲハッ!!…………」

 が、雷牙は実はそれどころではない。祐一の拳が予想外にいい所に当たりもがき苦しんでいる。

「おいこら、何か言ったらどうなんだ?(鬼畜)」

 バキボキ……と、指を鳴らす音が聞こえてくる。

「相沢君、話を最後まで聞いてからでも遅くはないんじゃない?」

 雷牙は、助かった。とばかりに香里を見たが、その手には硬く拳が握られている。

 そう、さっき指を鳴らしたのは香里だったのだ。

(この世には、神も仏も居ないのか?)

 雷牙はそう思ったが、これでは何時までたっても話が進まないので今回の事を話し出した。

「今回のは、皆に戦ってもらって、優勝者には素敵な景品が出ます」

「下らなかったら、殺ってもいいってことですね(ボソッ)」

「佐祐理さん怖いですから、ワザと俺に聞こえるように言わないで下さい」

「ふえ?雷牙さん、聞こえなければいいんですか?」

「……気分の問題です。もう、話進まないんでサクサクいきます。

 優勝者の景品は、願い事を一つ叶えてあげるという物です」

「雷牙にしては気の聞いた景品だな」

 景品の事を聞いて機嫌が良くなったのかいつもの祐一に戻っている。

「けど、本当にそんな事出来るの?」

「何を言う香里!!ここを何処だと思っている!!

 俺の書いている世界!!俺の小説!!俺の世界だ!!」

 雷牙は、天を掴む勢いで叫んだ。

「でもその割には、祐一や、香里にやられ放題だよ?」

 今まで黙っていたにも関わらず、名雪が痛いツッコミをしてくる。

「う、五月蝿い!!これには深い事情があって……」

「……話が進まない」

 同じく黙っていた舞がツッコミをいれる。

「と、とにかく、明日から始まるから、ちゃんと取扱説明書を読んでおいてね。じゃ」

 雷牙は右手をシュタと上げて挨拶すると、どこかへ飛ばされてしまった(祐一に)

「取扱説明書ってなんだよ……て、これか!?」

 その場に居た全員の足元に何かの紙が置いてあり、

 それには『○○の説明書』(○○にはその人の名前が書いてある)

 祐一たちはそれを拾うとそれぞれの家に帰っていった。

 

 

「じゃあな、栞、香里」

「ばいばい、栞ちゃん、香里」

「じゃあね。相沢君、名雪」

「さようなら。祐一さん、名雪さん」

 名雪と祐一は二人と別れて家に帰った。

「祐一君、名雪さん、たった一つ願いが叶うなら何を願う?」

「うお!?あゆ、何時から居た!?」

「うぐぅ、家を出た時からずっと一緒だったよ〜」

「読者より前か!?」

「うぐっ、本当に驚いてる。酷いよねぇ名雪さん?」

「……う、うん、そうだねぇ」

 名雪はあゆと目を合わせようとしない。

「ひ、酷い、名雪さんまで。……ナレーターさん!?」

 ……ご、ごめん。

「うぐぅ〜、どうせ、どうせこの世には神も仏も、12人の妹も、ましては5人の美人先生ママなんて居るわけ無いんだよ〜!!(問題発言)」

「あ、あゆちゃん、某Mさんとか、Cさんとか、Aさんなどから非難されるような発言はだめだよ」

 まあ、そんな危ない発言をしながら水瀬家に帰っていった。

 

 

 その日の夜、祐一は雷牙から貰った『相沢祐一の取扱説明書』を読むとこんな事が書いてあった。

 相沢祐一、能力『先見の力』相手の行動、攻撃などが見える(仮)

 熟練者になれば一分くらい先の事が見えるようになる(仮)

 

 

 などの事が書いてあった。

「何だこれはーーーー!!こんな(仮)ばっかりの取説信じろってかーーーーー!?」

 しかし祐一はこれ以上考えても無駄だと思ったのか、寝る事にした。

 

つづく?

 

・あとがき

 すみません、趣味に走ってます(現在進行形)

 これは、思い付きの作品です。

 次回からは、少しくらいは真面目の所が出てきます。

 と言っても、戦闘表現だけです。

 では、短いですが、このくらいで……、さようなら。

 

次回予告!!

雪の街に、欲望に魅入られた者達が戦い、傷つけあう。

それは、自分の為であったり。

大切な、愛しい人のためであったりいろいろである。

そして今、その欲望が蠢き出す。

「相沢!!俺はこのときを待っていた!!」

 

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