Endless regrets 〜願い事ひとつだけ〜
ごかいめ
「何ィ!?いや、マジか雷牙!?」祐一は前回での真琴とあゆのやり取りに見かねてツッコミを入れただけなのだが。
「だって最終的には祐一が殺ったんだろ?(←死んでません)」
そのツッコミが真琴とあゆにトドメを射す事になってしまったのだ。
「そ、それはそうだが……、ラッキーだった様な情けない様な」
「それより、真琴さんとあゆさん倒れたままですけど、どうするんですか?やっぱり(←!?)ここに捨てておきますか?(←鬼畜)」
と、栞が暴言を吐いていると。
「それなら俺に任せろ!!」
そう言って雷牙は何処から取り出したのか、肉まんと鯛焼きの山を真琴とあゆの前に置いてうちわで扇ぎだした。
「あう〜、肉まん!!」 「うぐぅ〜、鯛焼き!!」
真琴は肉まん、あゆは鯛焼きを物凄い勢いで食べ始めた。
「ところで二人とも、名雪は一緒じゃないのか?」
「私知らないよ?」
「ボクも知らないよ」
真琴とあゆは、肉まんと鯛焼きをそれぞれ頬張りながら器用に話してくる。
「え?置手紙がしてあったじゃないか」
「あれは昨日の夜名雪さんが”書いておいて”て言ったからだよ」
「何?何故名雪はそんな事を!?」
「祐一って、いつも肝心な時に寝坊するからじゃない?舞や佐祐理の卒業式の時だって寝坊したんでしょ?」
真琴が祐一を指摘する。
「うっ……、ま、まあ名雪はどこかに居るんだな?」
「部屋には居なかったよ」
「一緒には出なかったのか?」
その問い掛けにあゆと真琴は同時に頷く。
「じゃあ、もしかしたら名雪はまだ寝ているかも知れないのか!?」
「でも部屋には居なかったんですよねぇ?」
佐祐理の問い掛けに祐一は首を横に振る。
「いいえ、名雪なら何処ででも寝ていられますから」
「うん!!前なんて祐一のクローゼットの中で寝てたのよ」
「真琴……、俺のクローゼットにお前は何の用で行ったんだ?」
「え?そんなの祐一に悪戯するため……。じゃ、ないよ?ハハハハハ……」
「名雪さんって、夢遊病か何かを患っていらしたんですか?なんなら佐祐理の知っているお医者様に診て貰いますか?」
祐一は真琴に、お仕置きの『グリグリ』をしながら返答した。
「大丈夫ですよ、ただの寝相ですから」
「は、はぁ、……じゃあ、一応だけ名雪さんの場所を『能力者レーダー』で調べてみましょう」
☆しばらくお待ちください☆
「名雪さんは今……、物凄いスピードででこちらへ向かっています」
「へ?」
祐一が聞き返そうとした時に後ろから声が聞こえてきた。
「ゆ〜いち〜!!」
名雪はたしかに物凄いスピードでこっちに走ってきていた。
この時、祐一は思った。
(名雪……、お前は世界を掴むだろう)
「確かに世界を狙えるスピードね、あれは」
「ぬおッ!?香里、俺の心を読むな!!」
「相沢くんの考えている事なんてお見通しよ」
祐一は内心ショックを受けながらも、何も言えなかった。
そして、名雪が祐一の目の前に来て怒鳴り込んだ。
「祐一、最低だよ!!馬鹿だよ!!阿呆だよ!!人間のクズだよ!!生きる意味無いよ!!」
「な、何で俺がそこまで言われなきゃいけないんだ!?」
「だって祐一が起こしてくれないんだもん!!酷いよずっと起こしてくれるって言ったのに!!」
名雪は半泣き、名雪以外は驚いて祐一を見る。
「い、何時何処で俺がそんなこと言った!?」
「……名雪シナリオ(ボソッ)」
「な!?いきなり危ない事言うな!!それにこれは舞シナリオ後だ!!」
名雪が危ない発言をすると、祐一も危ない発言で返す。
「問答無用だよ!!『水刃』」
名雪が祐一に向かって両手を振り下ろすと、名雪の能力『水』で作られた刃が祐一を襲う。
これは前、舞がやった能力の応用と同じ様なモノで『水』を圧縮して、威力を増したものだった。
祐一は『水刃』を紙一重で避けるが、今度は祐一の後ろに居た佐祐理達に襲い掛かった。
しかし『水刃』は佐祐理達の前で壁に当たった様に砕け散った。
「祐一さん、ここは佐祐理にお任せください」
そう言って佐祐理は前に出る。
「外野は引っ込んでてよ!!『弾水破・乱』」
名雪は佐祐理に向かっていくつもの水の弾丸を打ち込んだ、が。
「あはは〜、無駄ですよ」
その声と共に水の弾丸は佐祐理の前で弾け飛ぶ。
それは、佐祐理の能力『盾』の力で防がれていたのだ。
(さ、佐祐理さんって、最強?)
「これなら……、『水ノ龍』ッ!!」
名雪は龍の形をした『水』を放つ。
流石にこれほどの力を持った『水』はキツかったらしく、佐祐理の『盾』がぐら付く。
「これで最後だよ!!『必殺、水龍乱舞』!!」
こんどは『水ノ龍』をいくつも佐祐理に向かわせる。
「『盾LV2』ですよ〜」
佐祐理がそう言うとさっきは、一つの龍でぐら付いた『盾』が、いくつ食らっても揺るがなくなった。
「では、行きますよ〜」
そう言うのと同時に佐祐理は消えた……。いや、一瞬で5メートルはあった名雪との距離を縮めたのだ。
そして、どこからともなくピコピコハンマー(あの、犬のハンマーではない)を取り出すと、思いっきり殴った。
バキッ!!
佐祐理は確かにピコピコハンマーで殴った……。ただし、側面(プラスチック部分)で。
「あはは〜、佐祐理って結構運動神経はいいほうなんですよ〜」
佐祐理はこの戦いの中、終始笑顔であった。
「名雪VS佐祐理 佐祐理WIN『水』の能力GET」
「さて……、これで全員なんじゃないか?」
今ここに居るには祐一、舞、佐祐理、香里、栞、真琴、あゆ、雷牙、名雪(←気絶中)の9人である。
「いえ、私の記憶が確かならば、もう一人学校に集まって居たはずですけど?」
栞の記憶力は確かなものだ。しかし、この中に居ない人と言ったら1人しか思い浮かばない。
「……あ、秋子さん……、か?」
皆、祐一の言葉を聞いて凍り付いた。
「いえ、秋子さんでしたら私にも解りますけど、私の知らない人でしたから」
確かに秋子さんが来ていたとしたら、ここに居る誰かが気付いてもいいはずだ。
「じゃあ、一体誰だ?久瀬は舞が、北川は俺が倒したし……、一体誰だ?」
と、その時。
「フッフッフッフッフッ…………」
祐一達の背後から不気味な笑い声が聞こえてきた。
つづく(でしょう)
あとがき
雷「夏休み〜♪ラララ〜夏休み〜♪…………ぶべあッ!!」
北「何ほざいてやがる雷牙」
雷「人が折角いい気分だったのに、いきなりバットで叩く事はないだろ!!」
北「五月蝿い!!この『Endless regrets』では冬なんだよ!!
しかも私的な理由で出来上がりが遅くなった事をまったく反省してないみたいだしなぁ」
雷「夏休み位のんべんだらりと行かせろよ」
北「ほお〜、もう一回殴られたいらしいなぁ」
雷「な、なんか北川の性格も変っているような気が……て、ぎゃああああああああ!!」
次回予告
欲望の宴はついに終焉を迎える
願いを、欲望を叶えるのは一体誰なのか
祐一達の前に現れたのは一体誰なのか
「お前等!!俺の名前を言ってみろ!!」
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